「今さらだけど、Apple Payって何?」と友人に聞かれたのだが、その際に全ての質問に完璧に回答できなかったので、しっかりと調べた上で記事にしてみた。これであなたもApple Pay決済マスターに![@appleshinja_com]
Apple Payとは?
まず、Apple Payについて理解するのであれば以下の要点は抑えておこう。
- iPhoneやApple Watchで使えるお財布機能。
- 実店舗決済とオンライン決済が存在し、いずれも悪用しづらい設計になっている。
- 「Apple Pay」という電子マネーそのものは存在しない。
この3つをまずは確実に抑えておこう。今回はオンライン決済に関しては軽く触れるのみで、実店舗決済について述べよう。
特に3つ目が厄介だと思う。Apple Payと聞くと、お店で「Apple Payで!」と言ってお支払いするサービスだと感じる方が多いと思うのだが、実はApple Payはプラットフォーム(仕組み)の総称みたいなもの。Androidやガラケーの頃に存在した「おサイフケータイ」のようなものだ。
例を出せば、コンビニなどで「Apple Payで!」と言っても、ほとんどのお店で店員さんは困惑するだろう。舌打ちされるかもしれない。
えっ、ちょ、えっ?
と混乱する方も多いとは思うのだが、安心してほしい。Apple Payについて誰でも分かるように以下解説していこう。
Apple Payで決済を可能にするためのサービス
Apple Payと言っても決済ができないことは前項でお伝えしたが、では、決済を可能にするためにはどうすればいいのだろうか?
ウォレットの設定画面を見ると大まかに分類すると3つに分けられ、さらに細かく分けられる。
1、クレジットカードなど(デビットカードやプリペイドカードも含まれる場合がある)
- iD
- QUICPay
- 国際ブランド(VISA・Master・JCB・AMEX)
2、交通系ICカード
- Suica
- PASMO
3、プリペイド
- WAON
- nanaco
これらのどれかをiPhoneやApple WatchのWalletアプリに登録すれば決済ができるようになる。
つまり、Apple Payを使うには、これらのどれかであることを伝えないと店員さんが困惑してしまう。Apple Payというお財布の中に、様々な企業のクレジットカードやプリペイドカードがあると考えれば良いだろう。
では、それぞれの決済サービスにどのような違いがあるのだろうか?4つのサービスをそれぞれ解説していこう。
クレジットカードなど
まず、この記事を読む方の多くは、VISAやJCBのクレジットカード、あるいはデビットカードやプリペイドカードを持っていると思う。これの番号を入れて登録する形だ。この番号もAppleのサーバーに安全に保管されているという。
iDとQUICPayは似ているので同時に解説。めちゃくちゃ簡単に言うと、
そのクレジットカードが対応している方(iD あるいは QUICPay)で登録される。基本的に「iDで!」や「QUICPayで!」で通じるが、まれに片方しか使えないお店、デビットカードやプリペイドカードが元のカードだと使えない加盟店も存在するので、自分のカードと普段使うお店の相性も確認しよう。
決済時も、物理的なICカードを使う要領でiPhoneやApple Watchで決済ができるため、とりあえず所有しているクレジットカードを登録しておけば良い。
これだけ抑えておけばOK。
次は国際ブランドだ。Apple Payを登録すると、結構な割合で、iDやQUICPayロゴの他に、MastercardやJCB、AMEXのロゴが付いているはずだ。VISAは対応しているカードがあまり多くないので注意!
この国際ブランドは、先ほど軽く述べたオンライン決済、あるいは実店舗のクレジットタッチ決済(まれに使えないカードもあり)で使われる。前者はApple版のPayPalと、後者は国内でしか使えないiDやQUICPayの国際版と考えて貰えばいい。
ApplePayのオンライン決済は、対応しているアプリやサイトで「ApplePayで払う」というボタンがあるので、これに対応しているサイトならラッキー。カード番号の入力の必要はなく、FaceIDやTouchIDだけで支払いが済む。
タッチ決済はちょっとややこしい。流行語にもなった「VISAのタッチ決済」と同じ系統だ。VISAだけの電子マネーと勘違いされがちだが、Master、JCB、AMEXにも類似の機能は存在する。この機能をApple Payでも使える。もし貴方のWalletアプリ上に「VISA」のマークがあれば、そのカードは「VISAのタッチ決済」として使える。
ただ、加盟店の情報が非常に分かりづらい、VISAしか使えない、逆にJCBしか使えない、といった例、対応加盟店の店員さんも決済方法を知らないことも珍しくないため、ある程度慣れた人向けの機能と言える。日本の場合、大半の加盟店でiDやQUICPay、交通系ICカードなどが使え、このタッチ決済のみしかつかないという例は非常にまれ。ただ、カードの種類やカード会社のキャンペーンで、こっちで払った方がお得なケースは存在する。
いずれも元のカード番号とは違う番号が使われているので、仮にそのお店が不正アクセス等の被害に遭っても、iPhone、Apple Watchで認証しないと使えない仕様になっておりある程度安全といえる。
ちなみに、Apple Payに登録する際にそのカード自体が対応していなければ、「対応していません。」という感じの表記が出るので、とりあえずカード番号を入れてみるのも良いだろう。
交通系ICカード
おそらく、iPhone上で最も使用されている決済サービス。
支払いにも使えて、電車やバスの改札も通れる優れもの。
また、前述したiDやQUICPay、後述するプリベイド式電子マネーと全く違う大きなメリットがある。それが、エクスプレスモード。エクスプレスモードをに設定すれば、Apple Payの決済画面を出さなくても決済が可能になる。
SuicaとPASMOの2種類があるが、どちらも使える加盟店は殆ど同じ。ただ鉄道会社の定期券やポイント制度など、若干制度が違う点もあるので、電車やバスによく乗る人や、駅ナカ施設を使う人は使い分けても良いだろう。エクスプレスモードは片方しか設定できないが、どちらも入れて切り替えることも一応可能だ。
私自身、Suicaで決済をする事が最も多いのだが、その最たる理由がこのエクスプレスモード。
例えば、Apple Payに登録したクレジットカードで決済するためには、電源ボタンを2回押して支払う準備をしないといけない。
Apple Watchで決済する場合でも以下のように支払い画面にしておく必要がある。(サイドボタンをダブルタップ)
しかし、エクスプレスカードに設定ができるSuicaであれば、文字通り何もしなくても良い。Suicaを改札機に通す時と同じように、決済機に向かってiPhoneやApple Watchをかざす”だけ”で決済ができる。
その利便性ゆえに、「決済はSuica一択です。」という人も多い。
デメリットを挙げると、車社会の地方で使えないことが多い。全国共通の相互利用が始まったとはいえ、まだまだ使えないローカル線やバス、地方のローカルチェーンは意外と多い。普段使わない路線に乗るときは、駅の掲示を見たり、駅員さんや店員さんに聞いてみよう。
また、同じ全国共通の交通系ICカードが導入されていても、ICOCAなどの地元のカードが使われる、というケースも多くあり、分かる場合はそっちで言った方が店員さんへの通りが良いケースもある。PiTaPaはシステムが違うので、乗り物はともかく、ショッピングでは相互利用できないので注意!
プリペイド式電子マネー
次に、プリペイド式の電子マネーについてだが、簡単に解説すると、
事前にチャージしておく必要がある、前述した「国際ブランド」が付いていない電子マネー。Apple Payに対応しているのはこの記事執筆地点(2021年12月8日)ではWAONとnanacoの2つだ。(今後、いろんなサービスが対応していくかもしれない)
プリペイド式電子マネーとわざわざ書いている通り、事前にチャージをしておく必要がある。Walletアプリや、WAONであればWAONアプリ、nanacoであればnanacoアプリを使ってチャージをする必要がある。
まず、Walletや電子マネーのアプリでApplePayのオンライン決済でチャージをしておく。SuicaやPASMOと違って、カード番号そのものをアプリに登録してチャージすることは、発行元やイオンやセブン&アイ系のカードを除き、基本的にはできない。
次に、Apple Payに登録してあるWAONやnanacoで決済を行う。これはiDやQUICPayみたいに素直に行くと思う。その後にWAONやnanacoのアプリを確認するとポイントが加算されていることがある。
という感じになる。
じゃあ、どの決済方法がいいの?
Apple Payについて大まかに理解できた人たならおそらく、
「じゃあ、どの決済方法が一番お得なの?」
という疑問が湧いてくると思う。
この辺りはYouTubeでたくさんのコメントをいただいているが、要は自分の生活環境でどうかで決めるべきである。
例えば、イオン系列のお店によく行くのであればWAONがいいし、一つにまとめたくて周りの店の多くでQUICPayに対応しているなら、加盟店も幅広いそれを使って決済すれば良い。
また、カードによっては種類によってポイントが増えたりすることもあるようなので、何か1つにこだわらずにお得な決済方法をそれぞれで行えば良いだろう。
私は利便性ゆえにSuicaを使う事が多いのだが、WAONのポイント加算狙いで最近はWAONを使うことも多い。
今日のお告げ「基本を抑えたら・・・」
勇気を振り絞ってApple Payで決済をしてみよう。決済の際には、
「IDで!」
「QUICPayで!」
「Suicaで!」
「PASMOで!」
「WAONで!」
「nanacoで!」
など言えば、ちょっとややこしいが、今の時代の店員さんたちはたいていの場合は理解してくれると思う。もちろん、住んでいる場所にもよるのだが、基本的にはコンビニであれば対応しているので、空いている時間のコンビニで練習してみると良いだろう。
余談ではあるのだが、Apple Watch Series 2・iPhone 7が発表されてSuicaに対応したばっかりだった頃、土地柄もあって、コンビニで「Suicaで!」と言っても全くと言っていいほどに伝わらなかった。
あの頃は本当に珍しがられたものだが、今ではキャッシュレスペイは当たり前の世の中になった。お金も触らなくていいしめちゃくちゃ便利。
どうか、あなたも日々の生活にApple Payを導入してみてほしい。未来感が楽しい。