オランダのユトレヒト市は、積極的な気候制御とクリーンエネルギーの目標を達成するために、住民に太陽光発電と電気自動車への転換を奨励し、移行を促進するためのプロジェクト「Smart Solar Charging」を実施している。Smart Solar Chargingでは、カーシェアリングサービスとソーラーEV(SEV)を組み合わせたVehicle-to-Grid(V2G)充電が使用される。
V2Gは、電気自動車のバッテリーから余剰電力を電力網へ送り、電力の需給調整や瞬動予備力、周波数制御サービスなどの提供に利用するもので、再生可能エネルギー発電を補完するテクノロジーとして注目されている。
Smart Solar Chargingプロジェクトに関し、ドイツのミュンヘンに拠点を置くスタートアップ「Sono Motors」は、ユトレヒト市との契約の一環として、SEVである「Sion」100台を提供すると発表した。
Sionは「双方向充電」が可能な車両で、車体にシームレスに取り付けられた248個のソーラーセルで発電し、一週間で平均112km走行できる電力をバッテリーに蓄えることができる。外部電源からの場合、急速充電ステーションを使えば35分で80%まで充電できる。また、住宅向けに双方向充電器「Sono Wallbox」が用意されている。
Sionは54kWhのLPFバッテリーを搭載し、1回の充電で最長304km走行することができる。この電池を介して送電網に電力を送ることができ、放電電力は11kW。Sono Motorsは、100台のSionでサッカー場約およそ2つ分の太陽光発電プラントに相当する1.1MWのピーク電力を供給することができ、送電網の不安定性と停電の可能性を減らすことができるとしている。
Sono Motorsの共同創設者でCEOのJona Christians氏は、「我々が開発したテクノロジーが、クリーンな都市生活、スマート充電、シェアモビリティに焦点をあてたこのような画期的プロジェクトを促進できることを誇りに思う」とコメントしている。
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Sono Motors to Provide 100 Sion to We Drive Solar for V2G Project in the City of Utrecht
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