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企業が自社の問題を解決するためにツールを開発し、そのツールの方が実は今やっている事業よりも価値があることに気づく、というのはテック業界では昔からある話だ。Linearityは同じような状況から生まれた。17歳だった創業者のVladimir Danila(ウラジーミル・ダニラ)氏は、2017年にベクターデザインをより簡単にするために「Vectornator」ツールを考え出した。今ではApple(アップル)、Disney(ディズニー)、Wacom(ワコム)、そしてMicrosoft(マイクロソフト)でも使われている。Disney(ディズニー)は実際、ディズニーランドのホテルのアートワークを作るのにVectornatorを使っている。

このベクターに特化したプラットフォームはこのたび、EQT Venturesと468 Capitalが共同で主導したラウンドで2000万ドル(約22億円)の資金を調達した。また、Google(グーグル)の製品担当VPであるBradley Horowitz(ブラッドリー・ホロウィッツ)氏、Google ドライブ・ドキュメント・スプレッドシート・プレゼンテーションの共同創業者であるJonathan Rochelle(ジョナサン・ロシェル)氏、元Microsoftのコーポレート・ストラテジー部門責任者Charles Songhurst(チャールズ・ソンガースト)氏、GoogleのグループプロダクトマネジャーLutz Finger(ルッツ・フィンガー)氏といったエンジェル投資家も参加している。

今回の資金調達は、同社のモバイルファーストの製品であるVectornatorをさらに発展させ、AIを活用した自動化やコラボレーション機能の追加、新製品の開発、米国や欧州、アジアでの事業拡大などに充てられるという。

Linearityの創業者兼CEOであるダニラ氏は次のように述べている。「10年以上前に私が10歳でデザインを始めたころは、ツールはどれも使いにくく、取っつきにくいものでした。ベクターがピクセルよりも重要性を増してきており、写真以外のあらゆる面で優れていることから、すぐにその問題を解決する独自のツール群を作りたいと思いました。Vectornatorは、カスタマーエクスペリエンス、シンプルさ、そしてソフトウェアを複雑にしすぎないことを重視しています。テッド(・パーション)やチームと一緒に仕事をすることで、知識や市場への理解を深め、当社のプラットフォームの成長に貢献できることをうれしく思います」。

EQT VenturesのパートナーであるTed Persson(テッド・パーション)氏は次のようにコメントしている。「私にとって、Linearityチームと手を組むことには2つの明確な側面がありました。ウラジーミル(・ダニラ)は非常に明晰な創業者であり、彼は優れた製品を作り上げたということです。デザインツールは作るのが最も難しいツールの1つですが、ウラジーミルと彼のチームは何でも可能であることを示してくれました」。

デザインツールに対する投資家の関心は、現在150億ドル(約1兆6457億円)の評価を受けているCanvaの成功以来、爆発的に高まっている。

画像クレジット:Vladimir Danila

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)