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非常に味わい深いツイートだった

弁護士岸本学「ラムはとても都合が良い女性、地球上にはいない」

魚拓

みせばや総合法律事務所代表(第一東京弁護士会)の岸本学弁護士

今季新たにアニメ制作・放送されることが決定した高橋留美子原作の少年漫画「うる星やつら」(うるせいやつら)に関するもの。

ラムはとても都合が良い女性、地球上にはいない」というツイートはこちら。

「ラムちゃんは宇宙人だからな!」ツッコミが殺到

岸本弁護士のツイートには「ラムちゃんは宇宙人だからな!」というツッコミが殺到することに。「アニメと現実の区別がついていない」という辛辣なコメントも。

さらには「お母さん」という例示も的外れであるという指摘が。

住居の破壊や付きまといを許しているあたるは都合が良い男である

ラムちゃんに付きまとわれてる主人公の諸星あたるですが、むしろ彼の方がかなり「都合が良い男」である。

現実とパラレルに考えるなら、ラムちゃんはストーカー規制法の対象だろう。

(定義)
第二条 この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。
一 つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その現に所在する場所若しくは通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと
二 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
三 面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。
四 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
ー以下省略ー

しかもラムちゃん、電撃能力を持ってるので「著しく粗野又は乱暴な言動」どころか刑法上の「暴行」に相当する行為をしている。「傷害罪」の構成要件該当行為をしているともいえるだろう(その都度あたるが超人的な回復力を発揮しているわけだが)。

もちろん、あたるやその家族がラムの存在や行為を(苦い顔しながら)許しているので、その限りにおいて犯罪として司法が介入するということは無いが、住居のドアやガラスや家財道具が破壊されるのは非常に迷惑極まりなく、通常は恐怖を感じるだろう。

…と書くと、ちょっと知ってる人はツッコミを入れたくなるだろう

曰く、『ラムは「人」ではないから刑事法の責任を負うものではない』と。

しかし、そうだとすると最初の「都合の良い女性」という話も成り立たなくなることになるので、そのツッコミは封印した方が知的生命体としての尊厳を維持できるだろう。

弁護士岸本学のうる星やつらに関するツイートへの反応まとめ、幼児の空想と現実の識別年齢など

  1. 「子供のころ好きだっただけに、80年代に「凍結保存」して欲しかった」
    ⇒その頃は是認していたということ。個人的な思いで「凍結保存」を強いるのは現代の子供の権利や原作者・アニメ制作者の権利をどう思っているのだろうか?
  2. 「男がどれだけやらかしても、愛想を尽かせず、追いかけて怒ってくれる女性というのは「お母さん」です」
    ⇒お母さんなら普通に虐待で児相案件。お父さんもこれに当てはまる場合が多いが、なぜ「母親」にだけこの役割を見出しているのだろうか?ジェンダーロールのステレオタイプ化・固定化では?
  3. 「「ラム」というのは男子にとって、とても「都合が良い」女性です。地球上にはいません」
    ⇒ラムは宇宙人。ラムの方があたるに押し掛けており、むしろあたるの方が「都合が良い男」である。
  4. 「男子をとても勘違いさせる作品」
    ⇒現実と架空の世界を識別しましょう。

一枚絵が空想世界か現実世界かを問うた場合に識別できるかの研究について⇒幼児における空想/現実の区別課題の検討

これを見ると大体6歳になれば空想か現実かの区別がつく頃あいだ、と言えそうです。

ましてや「うる星やつら」は十数分のアニメーション。それによってより多くの情報を与えられる環境下では、より空想世界であると認識するだろう。

なんと、岸本弁護士のツイートの全ての行に対して反論が可能になってしまった。

その過程で幼児の空想/現実識別能力の発達年齢に関する論文も読んで知識を得てしまった。岸本弁護士には感謝申し上げたい。

以上:岸本先生の次回作にご期待ください。