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前回に引き続きUbuntuのインストールをやっていきます。

ダウンロードしたISOファイルをUSBに焼く

ダウンロードしたファイルをUSBに焼きます。

DVDに焼いても良いのですが、あまりにも遅くなってしまうのでおすすめしません。

書き込みソフトはいくつかあるのですが、おすすめは「balenaEtcher」です。

非常に簡単な手順でさくっと焼くことができます。

USBからUbuntuを起動する

事前にBIOS(UEFI)画面に入る方法を調べておいてください。

大体のPCは起動してすぐにF2やF8、F12、ESCを連打すれば起動できます。

BIOSに入ったら、起動に使うデバイスの優先順位を変更しておいてください。

この辺の手順は機種によって全く違うのでそれぞれのPCのマニュアルを参照してください。

以下のサイトではUSBからOSを起動する手順を機種ごとに説明しています。

最後の謎の有料ソフトの広告は無視してください。

【Windows 10】USBドライブからパソコンを起動(boot)する方法
Windows パスワードを忘れて、Windows パソコンにサイン…

こういう自社製品を最後に勧めてくるステルスマーケティング系のサイトは嫌いなんですが、内容は至って真面目で有能なので困るんですよね。

Ubuntuを起動する

UbunuをUSBから起動すると、しばらく紫色の画面が表示されたあと、こんな感じの画面になります。

この黒い画面では、USBに書き込まれたデータが破損しいぇいないかを確認しています。

最初に表示された紫の画面は「Plymouth」というソフトウェアによって実現しています。

このPlymouthは最初はFedora(RHEL系のディストリビューション)のために開発されたものですが、現在はUbuntuやFedoraを始めとして多くのデスクトップ利用を目的としたディストリビューションで採用されています。(反対にミニマル志向なディストリやサーバ向けディストリでは採用されている事例はほぼありません。)

Plymouthは「KMS(Kernel-based Mode Setting)」を利用して動くソフトウェアです。

KMSとは、通常のGUI(XorgやWayland)が起動する前にカーネルによって起動されるGUIです。

ブートローダー(Grub)によってLinuxカーネルが読み込まれたあと、初期Ramディスクがロードされます。この初期RamディスクはInitrdと呼ばれています。

InitrdによってSystemdなどと一緒にPlymouthも早い段階で起動します。

Plymouthにはテーマというものがあり、様々な起動アニメーションを自由に設定できます。

Systemdとは

Systemdは最近のLinuxで使用されている大きなソフトウェアの総称です。

すべてのプロセスはSystemdの子プロセスとして起動されます。

また、時間の同期やインターネットへの接続、ユーザー管理などもSystemdで行えます。

UbuntuなどのLinux系のOSの根源となるソフトのことです。

Ubuntuを起動する

無事に起動できるとこのような画面になります。

インストールするだけなら右を選択するのですが、今回はあえて左を選択します。

するとまた黒い画面になり読み込みが始まるのでしばらく待ちます。

無事にUbuntuが起動しました。

このUbuntuのUIは「Gnome」と呼ばれるコンポーネントで構成されています。

Gnomeはデスクトップ環境の一種です。

デスクトップ環境はランチャーやウィンドウマネージャ(ウィンドウを管理するソフト)、デスクトップ(デスクトップの背景やアイコンを設定、表示、管理するソフト)などのセットのことです。

Ubuntuは現在はGnome3というデスクトップ観葉を採用しています。

(以前にはUnityやGnome2が採用されていました)

Gnome3はウェブ系の技術で構築されているのが特徴で、様々な拡張機能を導入することでカスタマイズできます。そしてその拡張機能はjavaScriptで書かれています。

デフォルトのGnomeは機能が最小限しかないのですが、UbuntuのGnomeはかなりのカスタマイズが施されています。

ライブ環境の仕組み

このUbuntu環境はUSBから起動してるだけの簡易的な環境です。

再起動をするとこのOS上で作業したデータは消えてしまいます。

こういったシステムは「ライブ環境」と呼ばれ、システムの復旧やインストールに使用されます。

簡単にライブ環境が起動する流れを説明しましょう。

(Ubuntuのcasperなどの説明はかなり面倒なので省略します。最低限の流れだけ。)

まず、Ubuntuのライブ環境は主に以下のファイルで構成されています。

  • ブートローダー(Grub, Isolinux)
  • Rootfs (Squashfs)
  • Linuxカーネル
  • Initrd
  • パッケージファイル

USBから起動すると、先程も説明した通りまずブートローダーが立ち上がります。

その後カーネルとInitrdが読み込まれるのですが、この段階で特殊なことをします。

Systemdを起動する前にSquashfsという読み取り専用の特殊な形式で圧縮されたRootfsを/にマウントします。

難しい単語が一気に出てきましたが、要約するとOSの起動に必要なファイルをLinuxカーネルから見られるようにしたということです。

その後Rootfsの中にあるSystemdやその他のファイルを使用して様々なプロセスが起動します。

その過程でWaylandとGDM3が一緒に起動されます。

GDM3はディスプレイマネージャの一種で、ログイン画面やその後の処理、デスクトップ環境の起動などを引き受けているソフトウェアです。

ライブ環境の/etc/gdm3/custom.confを見るとわかりますが、ライブ環境では自動ログインが有効化されていることで最初のパスワード入力をスキップすることが可能になっています。

インストーラを起動する

それではいよいよインストールを行っていきます。

インストーラのアイコンについて

デスクトップにあるインストーラのアイコンをクリックすると起動できます。

このインストーラの起動アイコンは、Windowsのショートカットを彷彿とさせるような挙動をしていますが、その構造は至ってシンプルです。

まず、これはシンボリックリンクやハードリンクではなくただのテキストファイルです。

試しにこのファイルをテキストエディタで起動してみてください。

ただのInI構成ファイルであることがわかります。

[Desktop Entry]というセクションの中に「Name」や「Comment」、「Icon」「Exec」といったパラメータが設定されています。

この.desktopファイルや、ディスプレイマネージャ、アイコンなどの形式はすべて規格化されています。

LinuxのGUIの規格の多くはfreedesktop.orgによって規格化されており、Ubuntuに限らず大半のLinuxで共通となっています。

Linuxのシステムのディレクトリ1の構成なども規格化されています。

インストーラについて

WindowsではインストーラとOSが結びついていますが、Linuxではそうではありません。

Linuxシステムのインストーラは様々なものが公開されています。

Ubuntuで使用されているのはUbuntu系システム専用の「Ubiquity」です。

Alter Linux やSerene Linux(fedora)で使われているのは「Calamares」と呼ばれる、システムに依存しないインストーラです。

UbiquityはPythonで書かれたており、バックエンドとフロントエンドに分かれています。

Ubuntuで使われているのはGTKフロントエンドですが、PlasmaではQtフロントエンドが使われています。

インストーラを起動する

前提の話が長くなってしまいましたが、さっそく起動してみましょう。

以前のUbutnuでは左の言語選択部分が文字化けしていたんですが、最新版では改善されたようです。

リリースノートというのは過去の更新履歴のことです、結構面白いので見てみてください。

キーボードの設定です。ほとんどの人は変更する必要はないと思います。

この部分で設定した値はkbdによって提供されているlocalectlに渡されます。

localectlは自動でXorgの設定も上書きしてくれます。

ここでインストール後の構成を設定できます。(あとから手動でソフトを追加できますが、大変なのでここで設定しておくのが良いでしょう)

初めて使う人は「通常のインストール」で良いと思いますが、余計なものも入ってくるので自分で追加や削除ができる人は「最小インストール」で良いと思います。

下のアップデートの設定はチェックを入れておいていいと思います。

問題は一番したの項目です。「サードパーティ」「プロプライエタリ」と横文字が並んでいます。

(今までも全部横文字だし何ならこの画面横文字ばっかりですが)

この文章をわかりやすくすると「様々なドライバ(ハードウェアを使うために必要なソフト)やコーデック(動画や音楽を再生するのに必要なソフト)を追加でインストールする」ということです。

「サードパーティ」というのは日本語で第三者という意味で、Ubuntu公式じゃないよということです。

「プロプライエタリ」というのは「ライセンス(利用規約)がフリーではないよ(再配布などに制限があるよ)(中身の詳細が公開されてないよ)」という意味です。

完全にオープンなソフトしか使いたくない場合以外はチェックを入れるべきです。

なぜならここでドライバ等を入れないとインストール後にネットに接続できなかったり画面の解像度が小さかったりと問題が起きるからです。

チェックを入れたら「続ける」をクリックしてください。

Ubuntuシリーズは昔から、この画面から「続ける」をクリックしたあとに読み込みに時間がかかる気がします。

終わりに

これの次のインストール手順はディスク編集です。

かなり長くなってしまうのでここで一回区切ろうと思います。

それでは、また今度。

The post 脱初心者を目指してしっかり解説するUbuntuのインストール Part2 first appeared on FascodeNetwork Blog.

1    Windowsでいうフォルダのこと