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嵐莉菜

ViVi専属モデルの嵐莉菜が、2022年公開予定の映画「マイスモールランド」で映画初出演で主演を務めることが発表された。

 

本作は、是枝裕和が率い、西川美和が所属する映像制作者集団「分福」所属の若手監督・川和田恵真の商業映画監督デビュー作。クルド人の家族とともに生まれた地を離れ、幼い頃から日本で育った17歳のサーリャ(嵐)。同世代の日本人と変わらない、ごく普通の高校生活を送っていたが、あるきっかけで在留資格を失い、家族の日常が一変する。彼女が、日本人の少年との出会いをきっかけにアイデンティティに葛藤し、成長していく物語が描かれる。

 

川和田監督は、早稲田大学在学中に制作した映画「circle」で、東京学生映画祭で準グランプリを受賞。2014年に「分福」に所属し、是枝の「三度目の殺人」(17)で監督助手、西川の「すばらしき世界」(21)でメイキングを担当。多くの現場で研鑽を積み、本作で満を持して商業長編映画デビューを果たす。

 

川和田監督のオリジナル脚本となる本作の企画の発端は2015年。「自分と年齢が変わらないクルド人の女性兵士が大きな銃を構える1枚の写真を見てから興味を持ち調べはじめ、日本にも2000人ものクルド人が住んでいること、難民申請をしながらも厳しい状況におかれている方々がいると知ったことが出発点になっています」と話す。日本人の母親と、イギリス人の父親を持つ川和田監督は、アイデンティティに悩んだ時期があり、自身の問題とクルド人の状況とが結びつき、企画が動きだした2017~18年、埼玉に住むクルド人への取材を始めることになった。

 

©2022「マイスモールランド」製作委員会

主人公のサーリャを演じる嵐は、本作が初主演で、初めて本格的に演技に挑戦する。母親が日本とドイツのダブルで、父親が日本国籍を取得しているイラン、イラク、ロシアのミックスという5か国のマルチルーツを持つ嵐は、日本で生まれ育ち、幼少期にはキッズモデルも務めていたことも。

 

2019年11年に発掘オーディション「ミスiD 2020」で、グランプリとViVi賞をW受賞。2020年よりViViの専属モデルとして活躍する17歳。先日、『しゃべくり007』(日本テレビ系)の「今年ブレイク間違いなしの美女SP」コーナーに出演した際は、さまざまなむちゃぶりに対応し「かわいいし面白い」「気取ってなくていい」などの称賛とともに話題になった。

 

オーディションを経て参加となった嵐は「オーディションのお話を頂いたとき、この役は絶対に私が演じたい! と思いました」と話す。川和田監督は「華やかなイメージを持っていましたが、オーディションの際、彼女がアイデンティティに葛藤をもっていたことや、『自分のことを日本人と言いたいけれど、言っていいのか分からない』と思っていたことを話してくれました。彼女になら、複雑なバックグラウンドをもっている、本作の主人公を任せることができるなと思いました」と起用の理由を明かす。

 

さらに「莉菜さん、本人のキャラクターと、演じた時のギャップに驚きました。堂々としていて、とても自然で素晴らしい演技を見せてくれました。サーリャのもつ複雑な気持ちを表現してくれ、オーディションの時から、この役を生きてくれていると感じました」と太鼓判を押した。

 

嵐は「私の演じたサーリャは、国籍に悩みを持っている役柄。自分も、小学校の時は、たいしたことじゃなくてもネガティブに捉えてしまって、アイデンティティについて悩むこともありました」とコメント。「クルド人の高校生の女の子と実際に会いお話をする機会を頂き、同級生と同じようにLINEを交換したり、K-POPアイドルの話で盛り上がったり(笑)。不自由な思いをしているはずなのに、とても前向きで明るく生きている姿に勇気をもらいました。この物語は、実はとても身近な問題なので、私が演じることで、そのことを知ってもらえたらうれしいです」とメッセージを寄せた。

 

嵐莉菜 コメント

オーディションのお話を頂いたとき、この役は絶対に私が演じたい! と思いました。
主演に決まったと聞いた時はとてもうれしかったです。それと同時に初めての本格的な演技に不安も感じました。私の演じたサーリャは、国籍に悩みを持っている役柄。自分も、小学校の時は、たいしたことじゃなくてもネガティブに捉えてしまって、アイデンティティについて悩むこともありました。
この役を演じさせていただくことになって、クルド人の高校生の女の子と実際に会いお話をする機会をいただき、同級生と同じようにLINEを交換したり、K-POPアイドルの話で盛り上がったり(笑)不自由な想いをしているはずなのに、とても前向きで明るく生きている姿に勇気をもらいました。
この物語は、実はとても身近な問題なので、私が演じることで、そのことを知ってもらえたらうれしいです。

 

川和田恵真監督 コメント

◆企画について

自分と年齢が変わらないクルド人の女性兵士が大きな銃を構える1枚の写真を見てから興味を持ち調べはじめ、日本にも2000人ものクルド人が住んでいること、難民申請をしながらも厳しい状況におかれている方々がいると知ったことが出発点になっています。
自分自身もアイディンティティに悩んだ時期があり、「自分は何人なのだろう」という思いと、国を持たない世界最大の民族であるクルドの方々のことが結びつきました。
企画段階から、是枝さん、西川さん、広瀬(奈々子)さんに応援していただき、私が描く必然性がある物語で、今の世界にとっても必然性があるテーマだからと、ずっと背中を押し続けてもらいました。苦しい境遇にいながらも、希望を捨てず強く前向きに生きようとする姿を見せてくれたクルドの方々から受け取った力をこの映画で表現できているといいなと思います。

 

◆嵐さんについて

とても華やかなイメージを持っていましたが、オーディションの際、彼女がアイデンティティに葛藤をもっていたことや、「自分のことを日本人と言いたいけど、言っていいのか分からない」と思っていたことを話してくれました。
彼女になら、複雑なバックグラウンドをもっている、本作の主人公を任せることができるなと思いました。
また、莉菜さん、本人のキャラクターと、演じた時のギャップに驚きました。堂々としていて、とても自然で素晴らしい演技を見せてくれました。
サーリャのもつ複雑な気持ちを表現してくれ、オーディションの時から、この役を生きてくれていると感じました。自分の役として感じたことを言葉にして伝えてくれた莉菜さんから受け取ったことも多く、初めて同士なので、お互いに成長し合うことができました。

 

作品情報

「マイスモールランド」
2022年公開予定

監督・脚本:川和田恵真
主演:嵐莉菜

企画協力:分福
制作プロダクション:AOI Pro.
共同制作:NHK FILM-IN-EVOLUTION(日仏共同制作)
配給:バンダイナムコアーツ

©2022「マイスモールランド」製作委員会