自民党安倍派は6日、安倍元首相が会長に就任後初となる政治資金パーティーを東京都内のホテルで開いた。党内最大の95人を率いる安倍氏の存在感は党内でさらに高まっており、岸田首相(党総裁)との間合いや派内の結束に向けた手腕に注目が集まっている。
「95人が一致結束して岸田政権を支えていくことを約束したい。それが私たちの責任だ」。安倍氏はこの日のパーティーでこう強調した。首相のほか、党側からは麻生副総裁、茂木幹事長らが駆けつけ、首相は「岸田内閣をど真ん中で支えてくださっている。大変ありがたいことで、政治の安定で大きな意味を持っている」と持ち上げた。
安倍氏は11月、前身の細田派を引き継いで新会長に就任した。所属議員数は先の衆院選で一時減ったものの、新人の加入などで衆院解散前の95人をすぐに回復した。党所属議員の4人に1人を占め、続く麻生派(53人)以下を引き離す。
安倍氏は岸田内閣を支持する姿勢を一貫して示し、麻生氏とは安倍内閣時代からの盟友だ。第5派閥の岸田派(宏池会)を率いる首相は、「後ろ盾」の安倍氏に配慮しながら、麻生、茂木両氏と連携を強めて基盤を固める戦略を描く。
だが、岸田、麻生両氏の接近には、安倍派内から「派閥の結集を目指しているのでは」(ベテラン)と警戒する声がある。麻生派は宏池会の流れをくみ、岸田、麻生両派を合わせれば安倍派と匹敵するためだ。首相はかつて、再結集による「大宏池会」構想に意欲を示したことがあり、安倍氏は連携の進展を注視しているとされる。