「Windows 10」搭載PCを快適に使うための手段の一つが、「ドライブの最適化」の活用だ。HDDやSSDといったドライブは、PCの動作の安定性と速度に直接的に関係する。ドライブではファイルの書き込みや消去を繰り返すと「断片化」が発生しやすくなる。断片化は、磁気ディスクなどのメディア内に、ファイルを構成するデータが分散して記録されてしまうことだ。PCの動作に悪影響を及ぼし、安定性や速度を低下させる可能性がある。
ファイルは、エンドユーザーがPCを使っている間にWindows 10が作成し、消去する。エンドユーザーがファイルを消去すると、Windows 10はメディア内の空いた区画を残し、以後の書き込み操作でその区画を埋めようとする。新たに書き込むファイルが空いた区画に収まらない大きさだった場合、Windows 10はファイルの一部データをその区画に書き込み、残りのデータをメディア内の別の空き区画に書き込む。その結果、断片化が起きる。
特にHDDで断片化が問題になるのは、HDDが磁気ディスクの表面を横断してデータを読み書きしているためだ。断片化が発生すると、データを読み書きする磁気ヘッドはそのファイルのデータがある全区画を読み込むために、あちこちを移動する。そうした物理的な移動を完了するには時間がかかる。磁気ヘッドの動きが増えるほど、ファイルの読み書きにかかる時間が長くなる。
ドライブの最適化では、磁気ディスク内の区画を直線的に配置し直そうとする。その目的は、読み込みの過程で不必要な磁気ヘッドの動きをなくすことにある。HDD内の空いた区画を集約することで、書き込み操作の効率も高める。
後編は、Windows 10におけるドライブの最適化の実行手順を紹介する。
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