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賃上げした企業への税制優遇 大企業 最大30% 中小は最大40%へ

 来年度の税制改正で焦点となっている「賃上げした企業への税制優遇」についてです。政府・与党は法人税額から差し引く控除率について、大企業は最大30%に、中小企業は最大40%に引き上げる方向で最終調整しています。

 賃上げ税制は適用条件を満たせば、給与を引き上げた額のうち、一定割合を法人税額から差し引ける仕組みです。大企業の場合、現在の控除率は最大20%ですが、来年度からは継続して雇用している従業員の給与の支給額を「4%以上」増やし、社員教育を充実させた場合は最大で30%に引き上げます。また、中小企業の控除率は現在、最大25%ですが、▼全従業員の給与を2.5%以上増やした場合か、▼1.5%以上増やして社員教育を充実させた場合に、控除率を40%に引き上げます。

 政府・与党は詰めの調整を進め、10日に決定する税制改正大綱に盛り込む方針ですが、この税制は度重なる制度変更を経ても利用する企業が広がらなかったことから、今回の見直しで賃上げが広がるかは不透明です。