先日、中国の電力不足が深刻化していることを取り上げたが、こうしたエネルギー問題が世界的に深刻化しつつあるようだ。日経新聞の4日の記事によれば、インドでは石炭在庫が減少、火力発電所の半数以上で電力供給が可能な日数が3日を切ったとのこと。インドでは電源構成の約7割が石炭火力発電となっている。世界的な石炭価格の上昇に加え、コロナ禍後の経済回復のタイミングが重なり、需要が増大したことが影響しているとのこと(日経新聞)。
国内でもレギュラーガソリンの小売価格が高騰している。石油情報センターによると4日時点のレギュラーガソリンの小売価格は1リットル当たり160円。5週連続の値上がりで、3年ぶりの高値水準となっている。原因としては、生産国の一つである米国で8月、ハリケーンが直撃したことで原油の先物価格の上昇したことに加え、OPECも増産ペースを11月も維持すると決定したことが影響しているそうだ(NHK、ロイター)。
欧州の天然ガスの値上がりに関しても加速しているという。日経新聞の記事によれば、指標価格が前日比で一時3割近く急騰、過去最高値を大幅に更新したとしている。このため、フランスとスペイン、ギリシャ、チェコ、ルーマニアの欧州5カ国は、EUに対して天然ガス価格の高騰に対する対応策をとることなどを求める共同宣言を出す事態となっている(日経新聞、Bloomberg)。
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