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 カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐり、収賄と組織犯罪処罰法違反(証人買収)の罪に問われた衆院議員の秋元司被告(49)に対し、東京地裁は7日午前、懲役4年、追徴金約760万円(求刑懲役5年、追徴金約760万円)の実刑判決を言い渡した。丹羽敏彦裁判長は「特定の企業と癒着し職務の公正を損なった」と述べ、秋元議員の無罪主張を退けた。

 判決によると、秋元議員はIR担当の内閣府副大臣だった2017~18年、IR事業の参入を目指す中国企業側から現金や旅費など計約760万円の賄賂を受領。保釈中の20年6~7月には、捜査段階で賄賂の提供を認めた贈賄側に、公判でうその証言をするよう報酬を示して働きかけた。

 判決は、300万円の現金供与があったとされる議員会館での贈賄側との面会について、「客観証拠から贈賄側の証言は十分に信用できる」と判断し賄賂の授受を認めた。証人買収も「秋元議員が主導した」と認定した。

 また、収賄罪の共犯に問われ秋元議員と一緒に審理が行われていた元政策秘書の豊嶋晃弘被告(42)に対しても、懲役2年執行猶予4年(求刑懲役2年)の有罪判決を言い渡した。

 検察側は論告などで、秋元議員がIR関連法案の進捗(しんちょく)状況などを贈賄側に伝えたと指摘。証人買収では、買収資金の一部を自ら用意して事件を主導したと主張した。

 一方、秋元議員側は「事件はフィクションだ」と全面無罪を主張した。議員会館で300万円を受け取ったとされる17年9月の贈賄側との面会は、スケジュール表やスマートフォンのアプリの記録から「議員会館に行っていない」と反論。旅費なども「支払いは秘書に任せていた」と関与を否定し、証人買収も「うそを言うように依頼していない」と述べていた。

 秋元議員は衆院東京15区選出の3期目。東京地検特捜部に収賄容疑で逮捕された19年12月に自民党を離党し、現職の国会議員のまま公判を受けた。現職国会議員の逮捕は約10年ぶりだった。

 判決前の朝日新聞の取材には…

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