2020年の秋より、ドコモの5G契約では3G(FOMA)が利用できなくなりました。
4G契約では引き続き利用が可能なため、利用できるエリアが狭まることを危惧して、敢えて5G対応スマートフォンで4G契約を利用する方もいるかと思います。
しかしスマートフォン側が対応していないため、4G契約にしても結局FOMAを利用できないというケースが増加しています。つまり、4G契約にしてもFOMAが利用できない場合があるのです。
どういった機種が非対応なのか、またFOMA 800MHz帯に非対応であるとどの程度エリアに支障が出るのかについて解説します。
2021年以降のドコモ機種はFOMA非対応
2021年以降に発売されたドコモで取り扱いのある(あった)5G対応機種は、原則FOMA非対応とされています。
ドコモのGalaxy Z Fold3の対応周波数詳細です。自社のFOMA周波数が全て非対応となっていることが分かります。
同社で順次停波していくことが決まっているB1(2GHz帯)も注釈で「ドコモでは利用できない周波数帯です。」と案内しています。
理論上この周波数は4G契約で使用できますが、FOMAが利用できない5G契約での使用を前提とされていることから、優良誤認防止のための対応と考えられます。
実際に筆者が同機種を確認したところ、B1には確かに対応していましたが、B6およびB19のFOMA 800MHz帯となるバンドには対応していませんでした。
ドコモで取り扱いのある2021年以降発売の5G対応スマートフォン(Android)は、実際にFOMA 800MHz帯には対応させていないことが多い様子です。B1は自社向けではなく、国際ローミング用に対応しているとみられます。
一方でiPhoneの対応バンドはAppleのサイトやドコモ、ソフトバンクで表記揺れがありますが、5G対応iPhoneは4G契約でもFOMAを利用できない可能性が非常に高いです。iPhone 12シリーズ以降で4G契約にするメリットはあまりないかもしれません。
iPhone 13 Proで検証したところ、4G契約のドコモ回線を挿しても意図的に3Gデータ通信・通話を利用することが不可能な仕様になっていました。
FOMAしか繋がらない地域はほとんどなくなっているが…
近年ドコモではほとんどのエリアで4G化が進んでおり、3Gでないと繋がらない…という場所はほとんど無くなってきています。
しかし一切なくなったというわけではなく、地方のトンネル内やエリア端の地域では3Gのみのエリア化に留まっている場所も存在します。
特に北関東や甲信越の山間部でこのFOMAのみの地域(下記画像ピンク部分)が多く残存しており、これらの地域をよく訪れる・またはお住まいの方は注意が必要となります。
逆に言えば、これらの地域にほとんど訪れない場合、FOMA非対応機種や5G契約でも大きく問題となることはないでしょう。
ドコモは早急に4G以降に移行させたい?
FOMA 800MHz帯は2026年3月末まで運用予定ですが、一足先に2GHz帯のFOMAを2022年より段階的に停波させていたり、5G対応機種で原則FOMA非対応にしていたりと、明らかに急いでFOMAへ接続する端末を減らそうとしている様子が伺えます。
これには基地局老朽化のため、トラフィック逼迫による電波の有効活用などが理由として挙げられています。
つまり今後FOMAは段階的に運用を縮小する見込みのため、4G契約だとしても、FOMAは利用できない前提でドコモ回線を利用すべきかもしれません。
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