卓上の整理収納というのは、本当に頭を抱える難問だ。何が難しいかって、収納対象となる小物が、サイズ・形状・重さ・硬さなどの面で統一感がなさ過ぎる。細長い筆記具があり、ジャラつくゼムクリップがあり、立てるとヘニャっとなるメモ用紙があり、まとめて束ねないと場所をとるケーブルがあり……これらバラバラのものを上手にまとめて収納せねばならないのだから、面倒なことこの上なし。
さらに、ペンは立てた状態から抜き出したいとか、ゼムクリップはひとつずつつまみたいといったように、それぞれに適した取り出し方を考慮して収納しないと効率が悪い、というのもまた難しい。
一般的にデスクオーガナイザー(卓上小物収納)のほとんどは、ペン立て+多段トレーというタイプが多い。確かに、先に述べたバラバラ過ぎる収納対象をざっくり入れておく方法としてはアリだろう。収納力も見込めるし、トレーに放り込むならある程度のサイズ差は無視できる。
ただし、そのままではトレーの中が整理できないし、逆にトレー内部に仕切りが多いと、サイズ差が吸収できない問題が再浮上。結果、どうすりゃいいのかと頭を抱えることになる、という次第だ。
ほんと、どうすりゃいいのか?
卓上小物は磁石で貼ってしまう、という解決策
これに対する解答のひとつとして、ちょっと面白いと思ったのが、LHiDS CREATIVE(リーズクリエイティブ)の「MagEasy」。ボードを机に立てておいて、そこに磁石内蔵クリップを使って小物をバンバン貼り付けちゃおうぜ! という製品なのだ。
LHiDS CREATIVE(リーズクリエイティブ)
MagEasy 収納スタンド
4980円(税込)
なるほど、ボードに貼り付けるのはアリかもしれない。収納量の点ではトレーに比べかなり劣るが、サイズなどの条件を無視して整理できるのは魅力的だ。
例えばペグボード(有孔ボード)なんかも同じ発想と言えるが、磁石ボードは穴の位置に収納を左右されず、ボード上の好きな場所に配置できるメリットもある。さらに、着け外しもラク。
「MagEasy 収納スタンド」は、205×300mmのボード(金属板をPUレザーで包んだもの)と、強力な磁石内蔵のクリップパーツがセットになったもの。このクリップパーツにもさまざまな形状があり、例えばケーブルを束ねられるタイプや、コイン型でゼムクリップなどを貼り付けておけるタイプ、メモやカードを挟んでおけるタイプ、などをラインナップする。
ボードはA4程度なので、さほど大きくはない。使えるのはこの面積だけということなので、収納量的には、やはり物足りない感は否めない。しかしその分スッキリはするし、稼働率の高いレギュラーアイテムに絞って貼っていけば、逆に実用性は高まるはずだ。
また、貼ったものは常に“面出し”状態で一目瞭然なのも良い。探す手間が大きく省けるし、使ったものを戻さないとスペースが空いたままになるので、“使いっぱなし”に対する抑止力になるだろう。
実際に運用してみて特に面白かったのは、磁石による着け外しのラクさである。小物を使いたいときはボードから引っ張ってペリッと外し、戻すときは空いてる場所に当ててパチッと貼るだけ。なにも気を遣う部分がないので、非常に手軽。面倒くさがりで定評ある筆者も、これなら安心して使えるのだ。
磁力の強さに関しては、一番小さなコイン型のクリップパーツでも、鍵を複数本束ねたキーリングやハサミをしっかり固定できるぐらい。クリップのフチには磁石が入っていないので、そこをつまめばボードから取り外すのも問題ないし、なかなか気を遣った作りにはなっていると思う。
また、クリップパーツがうまく適合しなかったり、数量的に足りなかったりする場合は、小物に100均などで売っている磁石テープを貼って使うというのもアリだ。
MagEasyシステムを携帯できる手帳タイプ
ちなみに「MagEasy」には、収納スタンドの他に手帳タイプも発売されている。手帳といっても、A5サイズのカバー付きボードにクリップパーツでメモリフィルを貼っても使えるという話で、つまりは“携帯型MagEasy”と考えたほうが伝わりやすいだろう。
LHiDS CREATIVE(リーズクリエイティブ)
MagEasy 収納手帳
4980円(税込)
名刺や付箋、イヤホンといった小物がすっきり収まるし、さらには名刺を挟んだクリップパーツを後からデスクのボードに移動させたり、といった融通が利くのも便利だ。とりあえず貼っておくだけで整理できるので、小物の持ち歩きをスッキリさせる効果は高いと思う。
「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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