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【ネタバレ注意】本記事は、スタッフロールに流れる音楽について記述している部分があります。ご注意ください。

皆さん、狩猟本能は全開で一狩りしてますか?

カプコンが手掛けるニンテンドースイッチ向けハンティングACT『モンスターハンターライズ(以下、ライズ)』。コラボクエストやイベントクエストなど定期的に新しいクエストが追加され、ハンター達は息をつく暇がありません。

そんなハンター達の救いと言えるのが、『ライズ』で流れる珠玉の楽曲の数々。心を落ち着かせてくれたり、昂ぶる気持ちをさらに盛り上げてくれたりと、ハンター達の心を鼓舞してくれる影の立役者です。

今回は100曲近く収録されている楽曲の中から、特に筆者がオススメする5曲を紹介します。この記事を読んで、普段とは違う観点で『ライズ』を楽しむキッカケになれば幸いです。

◆『ライズ』で一番聞く音楽「カムラ祓え歌」

やはりこの曲を外すわけにはいきません。1曲目は「カムラ祓え歌」です。この音楽はタイトル画面、集会所・オトモ広場等を除くカムラの里内で聞くことが出来ます。なお、タイトル画面の場合は「カムラ祓え歌(陽の慧)」で、カムラの里内では「カムラ祓え歌」と、違いがあります。

自宅にいる時は歌は聞こえず、音楽だけが流れるという仕様もグッド。おそらくヒノエが歌っており、その声が自宅までは届いていないという設定なのでしょう。細かな点にもこだわりがあり、感心させられます。

タイトル画面で穏やかな曲調かつ歌が入ったものは、『モンハン』シリーズを通しても珍しいケースです(『モンスターハンターワールド:アイスボーン』など、タイトル画面で穏やかな曲が流れるのはいくつかありますが)。

モンハン語の様に、造語で歌われる歌声1つ1つが耳に心地良く、筆者はこの曲を子守唄に寝落ちしてしまうほどでした。『ライズ』の世界観が和風というのもあり、全面に押し出される尺八や三味線に鈴の音、それを支えるストリングス(バイオリン等)。優しくも力強く、そして穏やかな気持ちにさせてくれる名曲と言えるでしょう。

なお、ゲーム中に聞けるのは造語verのみですが、サントラでは日本語verが存在します。歌詞の中身は百竜夜行に対する想いが連々と語られているものとなっています。気になる人は、そちらもチェックして見ると良いでしょう。特にストーリーの完結を見届けた後に聞くと、その意味に感嘆すること請け合いです。

◆命が無い世界に流るる、「砂塵きらめく、荒漠の地」

2曲目は「砂塵きらめく、荒漠の地」です。この音楽は砂原での汎用大型モンスター戦で流れました。ちなみに、小型モンスターの場合は「砂塵きらめく、荒漠の地 -小型モンスター」という別曲になり、さらに大型モンスターが移動中の場合は「砂塵きらめく、荒漠の地 -The Chase」というBGMに変わります。これは他のフィールドや各モンスターのテーマでも同じ仕様になっています。

この楽曲で印象深いのは、やはり女性のコーラスでしょう。力強い金管楽器の音に合わせ、女性のコーラスが非常に強く響き渡ります。生命の存在が難しい砂漠という世界で、絶対強者として君臨しているモンスターの様子を容易に想像させてくれる。そんな強いテーマ性を筆者は感じました。

しかし、ただずっと力強いだけではありません。時には哀愁漂うメロディラインもいくつか採用されており、強き者であってもいずれは朽ち果て、また別の強者がそこに現れる。そういった光景も曲の展開に合わせて想像できる趣きもあります。

それと、もう1つ大きなポイントが。それは、『モンスターハンター3(以下、MH3)』のメインテーマでもある「生命ある者へ」や「土砂と熱風」のフレーズがいくつか織り交ぜられているということ。砂原というステージは、MH3で初登場している為、その血筋を引き継いでいるんだというメッセージが込められているのでしょう。

もし、MH3の音楽が聞ける環境があるのならば、ぜひ聴き比べてみましょう。にやりとすること間違いなしです。

◆新フレーズを引っさげた『閃烈なる蒼光』

3曲めは「閃烈なる蒼光」。「ジンオウガ」のメインテーマです。旧モンスターのBGMのアレンジは『ライズ』においても名曲揃いなのですが、その中でも筆者が郡を抜いて好きなのは、この曲です。

この楽曲は和風の楽器がメインとなる『ライズ』の楽曲において、エレキギターが前面に押し出されている珍しい曲になっています。この時折入るエレキギターがとにかくかっこいい。ジンオウガの雷を纏った荒々しさを的確に表現しています。

では、『ライズ』らしさが失われたかと問われれば、それも違います。裏に入る三味線が『ライズ』の世界観に合わさっており、絶妙な音楽へと昇華されているのです。特に後半の、わざとリズムに合っていない三味線の強い音が、ハンター達が畏怖を感じている様子を表しているように聞こえ、筆者は感心しっぱなしでした。

この楽曲の一番の推し所は、後半の曲展開と言えるでしょう。ジンオウガは非常に人気があるモンスターの為、シリーズが進むにつれ、いくつものテーマが作られました。しかし『ライズ』での「閃烈なる蒼光」は、全く新しいフレーズが追加されたのです。

そのメロディに合わせ男性の強いボーカルが重なり、エレキギター、三味線、尺八、他の音が全て重なっていくこの壮大さ。特に「ヌシ・ジンオウガ」と相対する時には、「むしろヌシ・ジンオウガがラスボスじゃないのか?」と錯覚させられてしまうほどに、心を大きく揺さぶられました。ジンオウガというモンスターを非常に引き立てている感じています。

◆多くは語れないが…「禍群の鳴神」

4曲目に紹介するのは、「ナルハタタヒメ」のメインテーマである「禍群の鳴神」です。ちなみに、「イブシマキヒコ」のメインテーマは「禍群の息吹」。モンスターそれぞれの特徴を端的に表わしていますね。

『ライズ』のBGMはコーラスが多用されていることが多く、声が入っていること自体に珍しさはありません。しかし、「禍群の息吹」は(正確には「禍群の息吹」もですが)造語での歌が入ります。これはストーリーを知れば、ボーカルが入る理由も察せられるのですが、とにかくストーリーと音楽の繋がりが良くて、それだけで感動します。

曲調はまさに壮大。そして優雅。特に後半のメロディラインとボーカルの重なり具合は非常に心を揺さぶって来ます。実際、筆者は初めてこの音楽が流れるクエストをプレイした時には、その音楽の良さに軽く泣いてました。

『ライズ』には珍しい、金管楽器やストリングスが強く響く楽曲なのですが、時折入る横笛(だと思われる)がいいアクセントになっています。特に一部分ではソロパートもあり、モンスターが悠々と流れ動く光景が想像できます。

とある理由で、このモンスターと筆者は何度も戦うことになったのですが、音楽のおかげであまり苦はなかったです。本当に好きな楽曲の1つですね。

◆最高の”終曲”「スタッフロール」

最後に選ぶのは、スタッフロールの楽曲です。正直、このスタッフロールの曲の流れは全て合わせて、1つのメドレーだと思っています。そして、その流れが全て好きなので、こうして上げることにしました。

まず、スタッフロールが開始されて流れるのは「つなぐ花篝」です。四季に関して、そして命に対して、さらに言えばカムラの里に対して歌い上げるこの歌が非常に心に残ります。それに合わせてカムラの里の面々の日々の生活が画面に流れていき、それぞれのキャラクターが本当にそこで生きている様子を目にすることが出来ます。

これが本当にずるい。特に最後の大切な人へ未来を繋いでいく、という歌詞が「これからはプレイヤーがその第一人者になるんだ」という気持ちを端的に表わしており、流れる映像も合わさって本当に素晴らしい。この時点で筆者は感動しっぱなしです。

次に流れるのは、最初に紹介した「カムラ祓え歌」のインスト(歌がない)ver。桜吹雪が舞いながらスタッフロールが流れていく光景を、ただぼんやりと眺めるだけで余韻に浸らせてくれることでしょう。

最後に流れるのは、『モンハン』シリーズでは絶対に欠かせないあの音楽。そう、メインテーマである「英雄の証」、そのピアノverです。英雄の証は大量のアレンジが存在しますが、エンディングとしてピアノのみで奏でられる「英雄の証」は、1つの終わりと共に新たなスタートをプレイヤーに感じさせてくれます。

そして、スタッフロールの最後のシーン。これはネタバレになるので詳細は触れませんが、音楽が終わると同時に流れる最後のカットは、本当に感動しました。個人的には『モンハン』シリーズ1、2を争うくらい印象が強いスタッフロールです。本当にオススメなので、見てない人は頑張って見て欲しいですし、すでに見た人ももう一回見直して欲しいと思います。


以上、『ライズ』オススメの音楽を紹介していきました。今回紹介しきれなかったものの、名曲はまだまだ沢山存在します。現在、Ver2.0までに実装されたコンテンツの楽曲が収録されたサウンドトラックが発売中。ぜひ購入して、狩りの休憩中にゆっくり耳を傾けてみて欲しいと筆者は思います。

でも、バルファルクと真ラスボスの曲も聞きたいので、追加のサントラが早く出て欲しいですね…。