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スマートドライブとパナが物流車両の運行管理を行う「ETC2.0 Fleetサービス」実証、ETC2.0活用で新たな専用デバイス不要

「移動の進化を後押しする」をビジョンとするスマートドライブは9月7日、パナソニックとの共同事業として、物流車両を利用する企業向けに、ETC2.0を活用した運行管理サービス「ETC2.0 Fleetサービス」の提供を開始すると発表した。今回は、参加企業を限定した実証サービスとなっており、キャンペーン価格で提供する。9月7日から申し込み受け付けが開始している。

物流業界では、貨物量の急増と高齢化によるドライバー不足が深刻化しており、2024年4月に労働基準法の年間残業時間規制が開始されると、状況はさらに厳しくなるという。それに対応すべく車両管理を厳密化しようとすれば、運送事業者の負担が大きくなる。既存の運行管理サービスを利用して業務の効率化を図ろうとすれば、新規に専用デバイスを導入しなければならないなどの金銭的な負担が生じる。

そこで、スマートドライブとパナソニックは、すでに普及しているETC2.0を搭載している車両なら、新たにハードウェアを導入することなく運行管理が行える「ETC2.0 Fleetサービス」を開発した。

ETC2.0 Fleetサービスは、ETC2.0車載器に備わっている乗用車の経路情報や急ブレーキを把握する機能と、高速道路・直轄国道合わせて約4100基ある路側機を連携させて行うサービスという。

運行管理の実施により、車の稼働状況・業務状況の可視化が可能となり、走行履歴も見える化される。これにより、複数のドライバーの走行ルートを把握することで、配車を最適化するなどドライバーの業務効率化も図れるとしている。運行管理業務のデジタル化は、保有車両の台数や形態が適切かを見極めることにもつながり、保有車両台数の削減や配車最適化による業務効率の改善も期待できる。

またドライバーにとっても、運転日報の作成を補助する機能により記入の抜け漏れを防ぐことができるなどのメリットがある。

おもな機能は以下の通り。

車両位置の把握

高速道路や国道に設置された路側機からのデータを利用して、最新の車両位置を把握(車両位置や渋滞情報の更新にはタイムラグが発生するため、リアルタイムを保証するものではない)。渋滞情報などから到着時刻の予測が可能になり、荷待ち時間の削減にもつながる。

安全運転管理

ETC2.0に備わっている急ブレーキを感知する機能を利用し、危険な場所の把握や、ドライバーの安全運転指導が行える。

運転日報の作成補助

走行履歴が残るため、日報作成での記入漏れが防げる。過去の日ごとの走行履歴も一覧で確認可能。

ドライバーの高速時間管理

月間高速時間累計が上限の293時間に近づくと注意喚起がなされる。拘束時間累計の上限に近づくドライバーが出るとアラートで表示する。

運行履歴管理

過去の走行ルートや速度が示されるため、ドライバーの管理や配車計画の検討に役立つ。地図上に速度レンジを色分けして表示する。

同実証サービスでは、2021年12月末まで参加企業を募集するものの、社数が限定されているので早めにお問い合わせをとのこと。対象となるのは、高速道路を使った移動が多い業態、たとえば、センター間輸送、長距離輸送、高速バス、サービスエリアへの配送、高層道路メンテナンスなどを行う事業者だ。保有車両にETC2.0が装備されていなくても、ETC2.0車載器のリースが提供される。

参加を希望する場合は、まずは「https://lp.smartdrive-fleet.jp/FreeDEMO-Form.html」にアクセスして個別説明の予約を行う。希望時間を選択し、「ご要望・ご質問があればご記載ください」欄に「ETC2.0」と記載して予約してほしいとのことだ。