あなたがAからBまで行くことをプログラミングされているのなら、丁寧であることはあまり必要とされない。しかしロボットが人間社会で果たす役割が増えるにともって、彼らはどうやって人間たちと正しくうまくやっていくのか、という問題が生まれてくる。
MITのCSAIL(コンピューター科学人工知能研究所)の研究員Boris Katz(ボリス・カッツ)氏が、最近の研究論文で「ロボットはもうじき私たちの世界の住人になるため、私たちと人間のようにコミュニケーションをとることができるようになる必要がある」という。「彼らは、いつ自らが手伝うのか、いつ自らが何かを防ぐために何ができるのかを理解する必要があります」。
彼のチームはその研究論文を「人間と機械が社会的に対話するとはどういうことかを理解するための、初めてで極めて真剣な試み」と呼んでいる。このような主張の正当性をめぐって議論はあるだろうが、彼らが極めて初期的な段階として解こうとしている問題は疑いもなく、人間の生活の中でロボットの役割がすごく大きくなろうとしている今日、ロボット研究者たちが今後ますます真剣に考慮すべき問題だ。
研究者たちが行ったシミュレーションテストでは、ロボット同士の「リアルで予測可能な」対話を開発した。そのシミュレーションでは、1人のロボットがもう1人の仕事ぶりをウォッチし、その目標を知ろうとし、その後両者は仕事をしながら目標達成に進んだり、それを妨げたりする。
プロジェクトのリーダーでフェローのRavi Tejwani(ラヴィ・テジュワニ)氏は次のように述べている。「私たちは、2つのエージェント間の社会的な対話のモデルを作るための数学的枠組みを公開しました。あなたがロボットで、X地点に行きたいとします。そのとき私はもう1つのロボットで、あなたがX地点へ行こうとしていることを見ます。私はあなたに協力して、あなたがX地点に速く到着できるように助けます。それは、Xを動かしてあなたに近くすることかもしれません。もう1つの、もっと良いXを見つけることかもしれません。あるいはあなたがXに到着するためにやるべき何らかのアクションを、やってあげることかもしれません。私たちの公式では「how(どうやって)」を見つけるための計画ができます。また「what(何)」は、ソーシャルな対話の数学的な意味に基づいて指定します。
そのモデルは現在、比較的単純な2Dのシミュレーションだ。チームは現在、3Dバージョンに移行しようとしており、また、ニューラルネットワークを使ったロボットのプランナーを加えて、ロボットがこれらのアクションから学ぶスピードを速めようとしている。
画像クレジット:charles taylor/Getty Images
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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)