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 市によると、午前7時半ごろ、牧場近くの国道387号や畑にエミューがいると、住民から市に連絡が入った。午前10時45分から市職員や消防団、牧場関係者ら延べ約80人で捕獲。人的被害は確認されていない。近づかない限り人に危害を加えることはないという。

 エミューはダチョウに似て、二足歩行する飛べない鳥。オーストラリアの草原などに生息し、体長2メートルほどに成長する。

 牧場は、菓子の「めんべい」で知られる山口油屋福太郎(福岡市)と日本食品(福岡県古賀市)が旧迫水小跡地で運営。主に化粧品などに使うエミューオイルを皮下脂肪から抽出するために飼育している。

 両社によると、高さ2メートルの柵で囲まれた飼育場は1750平方メートル。繁殖期で活発になったエミューが、施錠した扉に突っ込むなどして扉が開いたとしている。

 ◇困難極めた大捕物 服破られた職員も
 
 「そっちに逃げた」「こっちに追い込め」。7日、菊池市で繰り広げられたエミューの“大捕物”は、相手が大型鳥だったため困難を極めた。おとなしい性格とされるが、捕まえようとすると激しく抵抗。服を破られた市職員もいた。

 エミューは、2013年に閉校した旧迫水小の運動場に設けた柵の中で飼育。午前10時ごろ、一報を受けた市職員らが到着すると、数羽が柵の外を悠然と歩いていた。

 ひとたび走りだすと時速50キロに達するというエミュー。追い掛けられて「怖い、怖い」と逃げ回る市職員もいた。服を破られた市企画振興課の野中英樹さん(46)は「ジャンプしたエミューの足にやられた。危害を加える感じではなく、逃げることに必死な様子だった」と振り返った。