アメリカ・プリンストン大学の客員研究員で、海洋研究開発機構のフェローを務める真鍋淑郎さんは現在の愛媛県四国中央市出身の90歳です。
1958年に東京大学で博士課程を修了後、アメリカの海洋大気局で研究を行いコンピューターによる気候のシミュレーションモデルを開発しました。
1967年にはこのモデルを応用して二酸化炭素の濃度が2倍になると気温が2.3度余り上昇することを導き出し、世界に先駆けて二酸化炭素の増加が地球温暖化に影響することを示しました。
また1969年には大気と海洋を結合した物質の循環モデルを提唱し、大気と海の熱の交換をモデルに取り入れることで、二酸化炭素が増加すると地球全体の気候がどのように変化するのかを導き出しました。
こうした研究成果は地球温暖化の研究に欠かせないものになり、真鍋さんは各国の温暖化対策に大きな影響力をもつ国連のIPCC=「気候変動に関する政府間パネル」が1990年に最初に出した第1次報告書の執筆責任者の1人にもなるなど、世界からさらに注目されるようになりました。
2015年にはアメリカのノーベル賞と言われる「ベンジャミン・フランクリン・メダル」を受賞。
2018年にはスウェーデン王立科学アカデミーが選ぶクラフォード賞を受賞していましいた。
真鍋さんは渡米後の1975年にアメリカの国籍を取得して1997年に一度、日本に帰国し海洋研究開発機構などでも研究を続けていましたが、再びアメリカに戻り、2001年からはプリンストン大学で客員研究員を務めています。