暑い夏のある日、家族で海でのカヤック遊びの際にまさかの自沈。救命胴衣を着用していたので溺れることはありませんが、浅瀬へ辿り着くまでの間、我が家のスマートフォンたちが、持ち主と共に海の中にいたことになりました。その2台のスマートフォン、 防水 機能のある iPhone SE(第2世代)と、防水防塵皆無のASUS ZenFone 7 のその後を 分解 比較します。
iPhone SE (2nd Gen)
持ち主は救命胴衣でプカプカ浮いてても、肩掛けカバンはずっと海中に浸っているので、20分程度は海水の中でした。iPhone SE 第2世代はIP67等級の防水性能(深さ1mに30分間まで)があるとのことで、陸に上がってから電源落とす際に触った時も、正常動作していたとのことです。
ライトニングコネクタ両端の★ネジを外し、液晶外周をヒートガンで温めてから、吸盤のついた洗濯バサミのような専用工具で挟んで、ゆっくりと液晶と本体を分離させます。
よく見ると外した★ネジにも浸水を防ぐ加工が有りました。
よく見渡すと、スピーカ付近の角部に白い痕跡があるのですが、この程度で済んでいるにはさすがでした。
エタノールで主に外周をキレイにして一旦閉じました。防水シール剤を入手したので、時間のある時に再び開いてシール処理を施すつもりです。
ZenFone 7 ZS670KS
iPhone SE とは異なり、防塵防水性能は全く無い本機種、浸水条件はほぼ同じで海水に20分程度は浸かっていたと思います。開帳作業は翌日行いました。本体外観にネジは一切無いので、背面外周をヒートガンで加熱してから、すき間にヘラを入れて少しずつ開いてゆきます。
この時点でも中が少し湿っていたので、拭き取ったりエタノールで掃除しながら分解を続けます。背面カバーを開けてもインナーカバーにロジックボードは覆われているので、まずはこれを外します(ネジは計11本)。
インナーカバーを外した後、フリップカメラユニットに沿ってついているフレームも外すことが出来ます。
フレームの裏側には塩害の跡がくっきり残っています。
ZenFone 7のロジックボードは二階建てになっているので、上下を留めているネジは次の要領で外します(ネジは2本)。
ロジックボード下層にも塩の痕跡を見ることが出来ますが、SIMスロットに入れていたSIMカード、micro SDカードは無事でした。
次に本体下部にあるマイクやスピーカ、USB Type-C端子などのインターフェイスボードを確認するため、覆っているインナーカバーを外します(ネジは計7本)。
外したカバーも基板上もかなり塩害を受けているのが分かります。
基板の裏側も塩まみれだったので取り敢えずエタノール洗浄。
ここまで分解、洗浄をしてみましたが、塩分の被害は深刻で全く起動することが出来ませんでした。
海水から取り出した直後に真水に漬けておいたり、すぐに開帳していたらもしかしたらという思いもありますが、最近、海や山でのアクティビティによく見かける、スマホ用防水ケースの重要性が身に沁みました。
次ページではもう一つ海水に浸かった、モバイルバッテリを分解してみます。
投稿 海水自沈したiPhoneとZenFone7の明暗の分かれ目 は Fun Scripting 2.0 に最初に表示されました。