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「今使っているパソコンがウイルスに感染していないか」と不安になることはパソコンを使う人であれば誰でもあることです。

新型コロナウイルスの影響もあり、テレワークだけでなくプライベートでもパソコンを使う人が増えたと言われています。実際にパソコン越しに人と会ったり、データの共有を行ったりする機会が以前より増した方も多い事でしょう。
実際、新型コロナウイルスが脅威で無くなったとしても、この新しいスタイルのコミュニケーションは一つの選択肢として定着すると言われています。

もし、自宅における外部とのコミュニケーションツールとして使われるようになったパソコンがウイルスに感染していたら。

今までは一人で使用するだけだったからそこまで気にしていなかったけど、つながっている友人や知人に迷惑をかけるかもしれない。安心してテレワークどころか同僚や会社にも影響が及ぶかもしれない。

このような不安を少しでも軽減して安全かつ快適にパソコンを利用するために、今すぐできるウイルスチェック方法や今後ウイルスに感染しないための予防策を解説します。

目次:

1.あれこれ考える前にまず実行すべきこと
・1-1.セキュリティソフトでウイルススキャンを実行する
・1-2.OSやアプリのアップデートを実行する
2.パソコンがウイルス感染した可能性がある時の症状
・2-1.電源や動作の症状
・2-2.ネットワーク周りの症状
・2-3.ファイルなどのデータ関連の症状
・2-4.メール関連の症状
3.パソコンがウイルス感染しないための予防策
・3-1.セキュリティソフトを導入する
・3-2.OSやアプリを最新の状態にしておく
・3-3.怪しいサイトやメールは開かない
・3-4.パソコン画面に怪しいメッセージが表示されても従わない
4.まとめ

 1.あれこれ考える前にまず実行すべきこと

「特にパソコンが遅いわけではないし、何かおかしい動作をしているわけでもないからきっと大丈夫だと思う。でも何だか不安。」

その不安は決して間違いではありません。近年のウイルスの多くは密かにパスワードなどを盗んだり、銀行のオンラインバンキングサイトにアクセスした時だけに動作したり、可能な限り気づかれないように動作するので普段の操作に影響を与えることはほとんどありません。
実際、感染に気付くことはほぼ不可能な場合がほとんどです。

「不安に思っている」だけではその不安が解消されることはありません。まずは今すぐできるウイルススキャンでパソコンをチェックしましょう。

1-1.セキュリティソフトでウイルススキャンを実行する

セキュリティソフトにはウイルスを検出する機能が備わっているので、ウイルス感染が疑われる場合はウイルススキャンを実行してみましょう。

上記にもある通り、近年のウイルスは感染に気付く事はほぼ不可能です(ランサムウェアを除く)。したがって、セキュリティソフトによるウイルススキャンがウイルス感染のチェック方法として最も確実かつ唯一の手段といっても過言ではありません。

無料のスキャンツールやオンラインスキャンのサイトも存在しますが、完全にウイルスを削除できなかったり、そもそも無名の小さな団体や個人の作っているものは偽スキャンツールの危険性も否定できません。

何を使ってスキャンするか悩むくらいであれば、以下にあるような国内で実績があり、かつ複数のセキュリティ技術を搭載した総合セキュリティソフトを使用しましょう。以下の製品では無料体験版であっても制限日数内であれば有料版と同等の機能を使うことができます。

これらの無料体験版を使用してウイルススキャンをして問題が無いようであれば、一安心しても問題なさそうです。各社、Windows / macOS双方の体験版を用意しています。

セキュリティソフト名 体験版日数
ノートン セキュリティ 30日間
カスペルスキー セキュリティ 30日間
マカフィー トータルプロテクション 30日間
ウイルスバスター クラウド 30日間

この記事ではパソコンのウイルススキャンに主眼を置いていますが、ウイルスの脅威は必ずしもパソコンだけとは限りません。各社Android版もリリースしていますので、Androidのスマートフォンまたはタブレットをお使いの方はスキャンしてみると良いでしょう。

モバイル セキュリティソフト名 体験版日数
ノートン 360(※) 30日間
カスペルスキー インターネットセキュリティ 30日間
マカフィーモバイルセキュリティ 14日間
ウイルスバスター モバイル 30日間

※ 体験版のご利用にはGoogleアカウントにお支払い方法が追加されている必要があります。ノートン以外の製品についてはそれぞれの会社の手順に従ってください。

1-2.OSやアプリのアップデートを実行する

Windows / macOS共にOSやアプリなどの機能追加や更新を行う機能を備えています。(Windows Update および AppStore 内の「アップデート」)新しいバージョンのOSやアプリを入手するということはもちろん大切なことですが、同時にこのアップデートは脆弱性を修正するという非常に重要な役割を果たしています。

そのため、アップデートが必要なものがないか定期的にチェック・実行してWindows / macOSやアプリなどを最新状態に保つことは、セキュリティの観点からも重要なことです。

とは言え、アップデートを実行するだけでネットに存在する多くの脅威を防げるほど甘いものではありません。最新状態のOSとアプリ、最新のデータに更新されたセキュリティソフトが揃ってこそ安心できる環境と言えます。

2.パソコンがウイルス感染した可能性がある時の症状

最初にお断りしておきますが、以下に解説するパソコンがウイルス感染した可能性がある時の症状は、実はほぼ全てワームが隆盛だった2000~2004年頃の古い情報であり、現在あまり必要なものではありません。

それでも敢えてここに記載するのは、以下に挙げる症状を確認すればウイルス感染が分かると認識している方に新しい知識を手に入れていただきたいからです。残念なことに、古い情報で判断し続ける限り、現代の攻撃者にとっては都合の良い標的でしかありません。

近年主流となっている『トロイの木馬』は感染がデバイスの持ち主にバレないように作動する上に、感染を他のデバイスに拡げる動きを見せることも基本的にはないため、目に見える症状がなく、感染に気付くことはほぼ不可能です。

なお、次項2-1以下に挙げる症状は基本的に感染の事実を隠しきれない、または感染した事実を「ひけらかす」ことによって起きていたものですが、身代金要求型ウイルスである『ランサムウェア』については感染している事実に「気づいてもらう必要」があるため、この限りではないことも補足しておきます。

マルウェア、ワーム、トロイの木馬に関しては以下に詳細の記事がありますので、ご参照ください。

ノートンブログ「マルウェアとウイルスの違い|端末保護の基本をシンプルに知る」
ノートンブログ「ワームウイルスとは|特徴2つ、感染経路4つ、被害7種類、対策方法」
ノートンブログ「トロイの木馬とは | ウイルスとの違いや感染被害例について」

2-1.電源や動作の症状

パソコンが再起動を繰り返す、ディスクの読み書きばかりで動作が遅くなる、フリーズや強制終了が多くなるなどの症状は、ウイルス感染の疑いがあるサインとされてきました。

再起動はOSやアプリのアップデートで行われることもありますが、頻度が高い時はウイルスがパソコンに負荷をかけている可能性があるとされています。
ただし、単なるパソコンのCPUメモリなどのパワー不足やストレージの空き容量の不足も考えられるので、これらについても確認する必要があります。

2-2.ネットワーク周りの症状

ウイルスに感染すると、ネットワークを介して他のパソコンも感染させようと多くの通信をすることで回線を圧迫し、インターネット接続が遅くなるといったことや接続と切断を繰り返すなど、不自然な動作をすることがあります。

2-3.ファイルなどのデータ関連の症状

ウイルスに感染すると身に覚えがないファイルが増えている、もしくはいつの間にかファイルが消えているといったことや、ファイルが開けないなどの症状が発生する場合があります。ファイル名やフォルダ名、拡張子などが書き換えられていることもあります。

また、お気に入りやツールバーが勝手に追加されるといったことや、セキュリティ関連など特定のサイトにアクセスできなくなるといったケースもあります。

2-4.メール関連の症状

メールアカウントがウイルス感染によって乗っ取られると、勝手なメッセージの送信、メールの管理画面にログインできないなどの不具合が起こることがあります。

3.パソコンがウイルス感染しないための予防策

先にも説明した通り、パソコンがウイルス感染しているかどうかパソコンの動作だけで気付くことは一部の例外を除きほぼ不可能です。

ただ、ウイルス感染してから対処するよりも大切なことは「ウイルス感染を未然に防ぐ」ことです。
そのための予防策を以下に解説するので、安全にパソコンを使用するためにもぜひ実行してみてください。

3-1 と 3-2 の項目については1章の「あれこれ考える前にまず実行すべきこと」と重複する部分もありますが、予防策としても非常に重要なのでもう一度記載しています。

3-1.セキュリティソフトを導入する

ウイルス感染を予防するためには、セキュリティソフトで対応するのが最も確実なのですが、どの会社のセキュリティソフトも100%の力を発揮するのは「感染する前」のインストールです。

ウイルスの種類によっては、セキュリティソフトが動かなくなるように動作を制限するもの、そもそも画面表示や入力操作を全て無効にしてしまうものも存在します。

そうなってしまっては、セキュリティソフトをインストールしたくてもインストールするのが難しい状態に陥ってしまい、仮にセキュリティソフトを入手してもその力を発揮するのが難しくなります。

そのため、まだセキュリティソフトを導入していない方は今すぐにでもインストールすることを強く推奨します。1章にある表と同じものですが、以下にあるような実績のあるセキュリティソフトであれば多くのセキュリティの脅威に対抗することができます。

体験版であれば、制限日数はありますが有料版と全く同じ機能を今すぐ使うことが出来ます。

セキュリティソフト名 体験版日数
ノートン セキュリティ 30日間
カスペルスキー セキュリティ 30日間
マカフィー トータルプロテクション 30日間
ウイルスバスター クラウド 30日間

3-2.OSやアプリを最新の状態にしておく

セキュリティソフトを導入することがウイルス対策の必須条件ですが、OSやアプリを最新の状態に保つこともセキュリティ向上のために重要です。

攻撃者は常にOSやアプリの脆弱性を探しており、それを悪用して攻撃を試みます。ネットに接続されたパソコンは常に脆弱性を悪用した攻撃に遭うリスクにさらされており、そのリスクをできる限り抑えるためには脆弱性を修正したOSやアプリにアップデートしておくことが有効です。

特に脆弱性を修正するセキュリティアップデートなどがリリースされたらすぐにでもアップデートする方がより安全です。

3-3.怪しいサイトやメールは開かない

ご存知の通り、Webサイトやメールは主なウイルス感染経路となっています。一般的ではありますが、普段有料のものが無料でダウンロード出来るといった違法性を疑うような怪しいサイトは閲覧しない方が安全です。

また、以下に挙げる「この接続ではプライバシーが保護されません」というメッセージや、「偽のサイトにアクセスしようとしています」という警告が表示される事があります。
特に以下2つ目に例示している赤い画面の「偽のサイト」の表示が出た際は、そのサイトにアクセスしない方が安全です。

メールに関しては、身に覚えのない支払い請求やパスワード変更要求を装ったものなど、開封することを催促するメールは落ち着いていったん置いておきましょう。特に、添付ファイルがあるものには要注意です。

届いたメールが本物なのか調べてから対処しても遅くはないので、焦って開かないことが鉄則です。対処法の詳細については、「なりすましメールの見分け方と被害を防ぐために有効な対処法」を参考にしてください。

⇒ ノートンブログ「なりすましメールの見分け方と被害を防ぐために有効な対処法」

3-4.パソコン画面に怪しいメッセージが表示されても従わない

パソコンの画面に「Windowsセキュリティシステムが破損しています」や「お使いのコンピューターはウイルスに感染しています」、「すぐに行動してください、トロイの木馬ウイルスが検出されました。」などの画面が表示されると、焦ってすぐに画面の指示に従いたくなるかもしれません。

しかしGoogle ChromeなどのWebブラウザには先に挙げたような問題を検出する機能はありません。
つまり、Webブラウザ画面上にウイルス関連の警告が表示されてもそれは偽の警告である可能性が高いため、無視して閉じるようにしましょう。(前項 3-3 にあるプラバシー保護と偽サイトの警告画面は本物です。これらはウイルスの警告ではなく、これからアクセスしようとしているページがセキュリティの観点から適切ではないという警告です)

ノートンブログ「その「セキュリティ警告」は本物?正しい見分け方と対処法」

4.まとめ

ウイルスを利用した不正アクセスや情報の盗み取りなどの手口は年々巧妙になっており、ワームの感染が主流だった時期と比較すると、自己チェックのみでウイルス感染を確認することはほぼ不可能となっています。

セキュリティソフトをインストールすることはパソコンを介してネットを安全に使用するための最も確実な手段であるため、まだインストールしていない方は即行動することを強く推奨します。

(注) 本文中「マルウェア」の方が適切な部分が多々ありますが、あえて「ウイルス」という単語を使用している箇所があります。マルウェアとウイルスの違いにご興味のある方は以下の記事もご参照ください。

ノートン ブログ「マルウェアとは?ウイルスとの違いや侵入経路について」