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Instagram(インスタグラム)責任者のAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏は最近「もはや写真共有アプリではない」と発言し、TikTokやYouTubeとの熾烈な競争の中で動画へのシフトを重視する考えを示した。米国時間10月5日、同社は動画をInstagramの中心的存在にするという大きなゴールへ向けた新たな一歩として、IGTVの長尺動画とInstagramのフィードの動画を「Instagram Video」という新しいフォーマットで一本化することを発表した。

長い動画も短い動画も、ユーザーのプロフィールに新たに設けられる「動画」タブに表示されるようになる。

Instagramで動画を見つけたときは、その動画をタップするとフルスクリーンモードになる。見終わった後は、スクロールしてそのクリエイターの別の動画コンテンツを見るか、戻るボタンをタップしてフルスクリーンモードを抜けることができる。

ただしこれらの変更はリールには影響しない。InstagramのショートビデオプラットフォームでありTikTokのライバルであるリールは、別のものとしてそのまま残るとのことだ。ユーザーがスクロールして見る場合、動画のフィードにリールが混ざることはない。

画像クレジット:Instagram

IGTVは今回の変更が実施される前からすでに、スタンドアローンのプロダクトやブランドとしては人気を失っていた。トラクションが少ないことから、2020年初めにInstagramのホームページからオレンジ色のIGTVボタンは消えていた。TechCrunchが以前に報じた通り、Sensor Towerの調査によれば10億人以上いるInstagramユーザーのうちスタンドアローンのIGTVアプリをダウンロードしたのはせいぜい700万人だったことから、こうした動きになった。Sensor Towerは、2021年8月31日時点でIGTVアプリのインストール数はApp StoreとGoogle Playを合わせて全世界で1800万と推計している。

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InstagramはIGTVボタン廃止の決定について、Instagramユーザーの大半はIGTVのコンテンツをフィードや「検索&発見」のプレビューから見つけているためと説明していた。しかし現実には評論家やクリエイターが主張するように、スタンドアローンのプロダクトとしてのIGTVがあることでフラッグシップであるInstagramアプリ内でわかりにくさや混乱が大いに生じ、その一方でスタンドアローンのIGTVアプリがたくさんダウンロードされることはなかった。

ただしIGTVアプリがなくなるわけではない。「Instagram Video」とリブランドし、Instagram VideoフォーマットのコンテンツとInstagramライブのビデオを配信すると同社は述べている。リールのビデオは配信されない。

今回の変更が実施されても、ユーザーはリールでないビデオをこれまでと同じ操作でアップロードすることができる。Instagramのホーム画面の右上にある「+」ボタンをタップし「投稿」を選択すればいい。最長60分間のビデオを投稿できる。

アップロード機能の変更として、トリミング、フィルタ、人と場所のタグ付けといった新機能が追加される。

画像クレジット:Instagram

これまではIGTV動画だった長尺動画は、これまでと同様にフィードには60秒間のプレビューが表示される。ただし動画が広告の対象である場合のプレビューは15秒間で、これもこれまでと変わらない。

今回の変更により「IGTV広告」と呼ばれるものはなくなり、代わりに「ストリーム内ビデオ広告」と呼ばれるようになる。クリエイターはこれまでと同様に長尺動画を収益化し、ブランドもこのフォーマットを利用できる。そしてこれもこれまで通り、動画もInstagramが実施しているクリエイターとのレベニューシェアのテストの対象となる(ただし企業が動画に力を入れてより多くの人にリーチしたい場合、60秒以内にする必要があるとInstagramは述べている)。

Instagramは、クリエイターは動画をストーリーズでクロスポストしたりダイレクトメッセージで共有したりしてもかまわないとしている。

Instagramは今回の変更によって動画のエクスペリエンスを簡素化することを目指している。しかしリールが別のものとして残っているので、動画は依然として長さで分類されることになる。これはYouTubeがTikTokの脅威に対抗している方法と似ている。TikTokの競合であるYouTubeショートは、YouTubeアプリ内に専用のボタンがある。Instagramのリールと同じだ。

Instagramによれば、今回の変更はiOSとAndroidの両方に対して全世界で公開を開始している。

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画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)