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“ネットアーティスト界最強のダメかわロック”を届けるナナヲアカリさんが、ノイタミナ×MAPPAによるTVアニメ『平穏世代の韋駄天達』のエンディング・テーマ「雷火」、マンガ『山田くんとLv999の恋をする』とのコラボレーションソング「魔法」の2曲をパッケージしたシングルを8月11日(水)にリリースする。

「雷火」は、『アイドルマスター』シリーズをはじめDAOKO、Eveなどの人気アーティストへの楽曲提供で知られるTAKU INOUEさんが作曲を、『ヴィラン』などのヒット曲で知られるてにをはさんが作詞を手掛けた超高速HIPHOPチューン。一方の「魔法」は、DECO*27さん&Rockwellさんのタッグによる王道恋愛ソングとなっている。これまでのイメージを一新させるかのような新作について、たっぷりと語ってもらった。

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「雷火」はこれまでの曲の中でも“最難関曲”

――メジャーデビューからもうすぐ3年。振り返ってみるといかがですか?

ナナヲアカリさん(以下ナナヲ):「3年かぁ」って(笑)。体感としてはついこの間のような気持ちなんです。この1年いろいろあったこともあって、ある意味、すごく早く過ぎてしまったから。

――いろいろあったというのは、やはりコロナのことでしょうか。

ナナヲ:そうです。リリースがズレこんでしまったり、ライブもなくなったりと、予定通りにはいかなくて、思い描いていた1年とはまったく違う年になったなと。

――本来昨年に行われる予定だった7月7日の「ナナヲアカリ Presents ライブ&パーティー第八話―770の日―」も結果的にまる一年延期になってしまいましたが、念願の大森靖子さんとの対バンはいかがでしたか?

ナナヲ:2年越しのライブで。靖子ちゃんとの対バンはめちゃくちゃ緊張しました! でも靖子ちゃんがすごすぎるライブをしてくれたおかげでナナヲとしてのモチベーションや緊張感が高まりました。「靖子ちゃんが一緒に出てくれたんだからやるぞ!」って。アンコール(「$ラリ無双」で大森さんとコラボレーション)は夢過ぎてあんまり客席が見られなかったです(笑)。

――コロナ禍でさまざまな制約はありながらも、新しい挑戦は常にされている印象があります。まさに今回の楽曲もそうですが。

ナナヲ:そうですね。そういう意味では、毎回新しいものにチャレンジできているのかなと思ってます。その中でも「雷火」は結構……最難関曲になったと思ってます(笑)。

――ではその最難関曲について詳しくおうかがいさせてください。『平穏世代の韋駄天達』のお話をいただいたときはどのようなお気持ちでしたか?

ナナヲ:こんな素敵な原作の、MAPPA制作のアニメタイアップのお話をいただけると思っていなかったので、すっごく嬉しかったです。プレッシャーもなく、喜びオンリーでした(笑)。

ナナヲはMAPPAさんが大好きなんですよ。『呪術廻戦』はもちろんなんですが、特に『ドロヘドロ』の作画や塗り、色彩感覚がすごく好きなんです。だから「えええ、MAPPA!?」って叫びましたもん(笑)。今回のお話をいただいた瞬間にすぐに原作を読みはじめたんですが、めちゃくちゃ面白くて。なんとなく「ドロヘドロっぽいタッチになるのかな」と思っていました。

――原作を読まれた印象について、もう少し詳しくおうかがいしてもいいですか?

ナナヲ:新しいなと思ったのが、アニメの1話の最後もそうなんですが####――神様が主人公の作品なのに、神様が人を助けにこないっていうのが衝撃的でした。神様は(人間を)平等に見ているから、人間サイドから見るとある意味冷たい印象があるんですよね。予定調和じゃないのが面白いなって。そういう意味でも王道とはまた違った作品なんだろうなと思いました。

――(インタビュー段階では)1話が放送されたばかりです。1話のあの終わり方はいろいろな意味で衝撃的でした。制作側としても挑戦だったのかなと思わせるタッチで。

ナナヲ:そうなんですよね。しかも、そのあとのポップな「雷火」っていうのがすごいなと。

――キタニタツヤさんが歌うOP「聖者の行進」についても言及されていましたね。「最高すぎる」と。

ナナヲ:オープニング映像、すごかったですね! エンディングはキャラの日常回のような感じで可愛く仕上げてもらったんですが、オープニングはサイケデリックですごくカッコよかったなと。

――おふたりの組み合わせというのも、ファンにとってたまらないかと思います。

ナナヲ:ありがとうございます!(笑) ふたりでオープン・エンドを担当する日が来たんだね、って(笑)。

「普通のアニソンは求めていない」というオーダー

――「雷火」の制作過程についても教えてください。いつくらいから制作はスタートしたんでしょう?

ナナヲ: 2月くらいから制作を初めて、3月末にはレコーディングしていました。

――制作を始めるにあたって、最初に意識されていたことはどんなことだったんでしょうか?

ナナヲ:原作にすごく速い神様、人間の常識が通じない登場人物が出てきて。とにかく主人公のハヤトが速く動くので、曲も高速にしたいなと思っていました。でもナナヲ楽曲の中にはBPMが速い楽曲はたくさんあるので「規格外の展開の曲が良いよね」という話になって。アニメサイドからも「普通のアニソンは求めてないです」といったイメージを頂いていたので、平歌はラップ調でサビがポップでキャッチーだったら面白いんじゃないかなと提案した上で、イノタクさん(TAKU INOUE氏)にオケを作ってもらったんです。実際届いたものを聴いたら、めちゃくちゃ速くてカッコよくて。「せっかくだから言葉遊びもしたいね」ということで、てにをはさんに作詞を依頼させていただきました。

――「普通のアニソンは求めてない」というオーダーがMAPPAさんらしいですね。

ナナヲ:らしいですよね!(笑) そのオーダーは「すごくMAPPA!」って。トリッキーなものを求めているといったことをおっしゃっていました。

――「雷火」という言葉はてにをはさんから生まれた言葉なんですか?

ナナヲ:そうです。冒頭の<Like a 雷火>って見たときに「天才かよ!」って思いました(笑)。「さすがてにをはさんだな」と思ったのが、韻の踏み方の気持ち良さで。全体を通してみると“大器晩成”からの……妄想や願望の話かもしれないけど、主人公が少しでも前を向こうとしている、応援の曲になっていて。ポップだから楽しく聴くこともできるけど、ちゃんと歌詞を読むと刺さるという、そのバランスが良いなって。

――サビの<もっと前に前にMovin’on>という部分は、ナナヲさんとしての前に進もうとする気持ちも乗っているように感じました。

ナナヲ:そうですね。ナナヲとしても表現しやすく、感情が乗りやすい歌詞にしてもらえたので、楽しく歌うことができました。難しかったですけども(笑)。

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――レコーディングはいかがでした? 

ナナヲ:今までポエトリーパートが入ることはありましたけど、本格的なラップパートは初めてで。そこのリズム感が最初は難しかったんです。でも何回も録っていくうちにどんどんとノッてきて。後半に歌い慣れてきて「むちゃくちゃ良くない? 前半に録ってたテイクも録りなおすか」って話に(笑)。それで後半に採用テイクをたたき出すという。

おかげでカッコよく歌わせてもらいましたね。リズムが身体に染みれば染みるほど歌うことも楽しくなる曲だなと思いました。

――すっごくカッコいい曲ですもんね。

ナナヲ:それに加えて、問答無用でアガる曲になったなというのが嬉しくて。気分がアガる曲って必要だと思うんです。「なんかわからないけどこの曲を聴いたら元気でるんだよなぁ」って思われるような曲になったらなと。

――「なんかよく分からないけど元気が出る曲」があると、毎日も楽しくなりますよね。それはナナヲさん自身も普段の生活で感じられていることなのでしょうか?

ナナヲ:感じますね! 全然気分が乗らないなって時にゴキゲンになれる曲を数曲持ってるといいなって。ナナヲ自身もプレイリストを作ってお気に入りの曲を入れています!

――そのなかの1曲、どれか教えてもらえることはできますか?

ナナヲ:どれにしようかなぁ(笑)。(少し考えて)なんか幸せな気分になれるのは、ぜったくんの「Parallel New Days」という曲です。めちゃくちゃ良いです。幸せな気持ちになります!

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(C)天原・クール教信者・白泉社/「平穏世代の韋駄天達」製作委員会