家庭内感染では、家庭に持ち込まれたウイルスが瞬く間に家族に広がり、幼い子どもまで感染するケースが出ています。
家族7人で暮らす福岡市の50代の男性は、先月上旬、39度の熱が出て、翌日には40代の妻も発熱しました。
続いて、小学5年生の次女が発熱するなど合わせて4人の子どもにも発熱やけん怠感の症状が出始め、PCR検査を受けた結果、無症状の5歳の幼稚園児を含む子ども5人と夫婦2人の家族7人全員の感染が判明しました。
保健所からは宿泊療養を勧められましたが、幼い子どもがいるため自宅療養を選び、いっさい外出をすることなく、知人からの差し入れや宅配サービスを利用して生活を続けました。
数日後、妻と子どもたちは回復しましたが、男性は熱が下がらず、血液中の酸素飽和度も低いままで、感染確認から6日後、市内の病院に救急搬送されました。
入院から10日後、ようやく熱が下がり、肺の機能も回復したことなどから退院しました。
子どもたちは現在、通常どおり学校や幼稚園に通っていますが、男性は、今も息切れや強いけん怠感に悩まされていると言います。
この家族ではコロナ禍が長引く中、徐々に感染への警戒感が薄れ、帰宅した際のうがいや手洗いなど感染対策をおろそかにすることも多かったということです。
男性は「コロナは自分には縁遠いという感覚がどこかにあり、甘く見ていた。家庭内に気付かないうちに入り込んでくるもので本当に怖いものだ」と話していました。
また、妻は「まさかわが家でクラスターが起きるとは思いもよらなかった。今後はできるかぎりのうがいや手洗いを徹底したいと思う」と話していました。