イタリアでは6日から、飲食店などを利用する際に新型コロナウイルスのワクチンの接種や陰性の証明を提示することが義務づけられ、首都ローマを訪れた観光客からは評価する声のほかに、戸惑いの声も聞かれました。
イタリアでは5日の新たな感染者が7200人を超えるなど、変異ウイルスの「デルタ株」による感染が急速に広がっていて、イタリア政府は6日から、美術館などの文化施設や飲食店の屋内に入る際にワクチンの接種や陰性の証明を提示することを義務づけました。
これを受けて、首都ローマにある古代の円形闘技場「コロッセオ」では、訪れた人たちが証明を提示し、係員が専用のアプリで確認する様子がみられました。
また、ルネサンスの巨匠、ミケランジェロなどの作品で知られるバチカンの美術館でも入り口で入場者の証明が入念に確認されていました。
イタリア北部から家族で訪れた男性は、「みんなの安全のためですので、証明を提示するのはいいことです」と話していました。
その一方で、オランダから家族で訪れた女性は「この規制はやりすぎだと思います。長い行列ができているし、全く必要ないと思う」と話すなど戸惑いの声も聞かれました。
飲食店などの利用者にワクチンの接種や陰性の証明を提示することを義務づける動きはヨーロッパ各国に広がっていて、フランスでも8月9日から始まることになっています。