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 自民党総裁選(17日告示、29日投開票)への出馬を表明している岸田文雄・前政調会長は8日午前、国会内で記者会見し、経済政策を発表した。経済安全保障を担当する専任閣僚の新設を掲げ、安倍前首相が推進した「アベノミクス」の3本柱である「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「成長戦略」の堅持も盛り込んだ。

 岸田氏は「アベノミクスで成長した果実を分配しなければ格差が広がってしまう」とも指摘した。その上で、「新自由主義的な政策を転換する」と訴え、中間層の拡大を目指す「令和版所得倍増」を提唱した。そのために「新しい日本型資本主義」構想会議(仮称)を設置し、ポストコロナ時代の経済社会構想を策定する方針も示した。

 人手不足が指摘される医療や介護、保育などの分野で働く人の賃金を引き上げるため、公的価格の抜本的な見直しを行う検討委員会を設置することも主張した。原子力発電所の新増設については「その前にやることがある」と述べ、既存の原発の再稼働を進める考えを示した。消費税については「当面触ることは考えていない」と語った。

 総裁選では、高市早苗・前総務相が8日午後、記者会見を開き、出馬を正式に表明する予定だ。