ヒンドゥー教徒の政治家で、世界ヒンドゥー教協会の会長であるRajan Zed氏は、アトラスのRPG『真・女神転生』シリーズにおいてヒンドゥー教の神々を悪魔のように描いているとして、アトラスを子会社に抱えるセガサミーグループに対してこれらの描写を中止するように要請しました。
『真・女神転生』シリーズには、世界の宗教における絶対神や悪魔、宗教的な背景などをテーマにした設定やキャラクターが登場することが特徴の一つで、最新作である『真・女神転生 V』にも受け継がれています。
しかし、同氏は「ヒンドゥー教信者が崇拝する神々や女神を悪魔として登場させることは冒涜である」と本シリーズの描写を非難しました。セガサミーグループのように、社会倫理的、公共的な期待に応えると主張する責任ある企業が、他者の深い信念を矮小化し、コミュニティ全体を嘲笑するようなビジネスを行うべきではないと指摘しています。
同氏はセガサミーグループの会長である里見治紀氏に対し公式に謝罪することを求め、さらに自社のシステムや手順を見直し、スタッフに宗教的・文化的感受性のトレーニングを受けさせることを提案しました。
ヒンドゥー教徒は他の人と同じかあるいはそれ以上に言論の自由には賛成しているとしていますが、信仰は神聖なものであり、それを軽んじようとする行為は信仰者にとって苦痛でしかないと主張。なお、エンターテイメント業界にヒンドゥー教が浸透することは歓迎しており、商業的な欲のためではなく真剣に敬意を持って描写する場合には、研究や調査に必要なリソースを喜んで提供すると述べています。
Zed氏は過去にも、『真・女神転生IV FINAL』での「魔神クリシュナ」や、アニメ「終末のワルキューレ」でのシヴァ神の描写に対し抗議、Netflix Indiaではアニメが配信されないという事態が発生していました。