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マダニの産卵から孵化まで
アリ探しをしていると、地面で大きなマダニを発見。
吸血後のメスで、これから産卵をする個体です。
体長は8~9mmほど。
ちなみに海外には3cmにもなるマダニもいます。
産卵前のマダニを見つけると、産卵をする場面を観察したくなります。
産卵の様子は以前フタトゲチマダニで観察しましたが、今回は孵化まで観察してみました。

マダニの産卵から孵化まで
持ち帰ってきた翌日。
さっそく産卵開始。

マダニの産卵
その翌日には、こんなにたくさん産みました。

マダニの産卵から孵化まで
産卵開始から15日目。
卵が増えるにつれて、母親の体は小さく萎んでいきます。
マダニは犬を飼っている方は、犬の体に付いているのを見たことがある方も多いと思いますが、それに気が付かず、吸血を終えたダニが部屋に落ちてしまうと、部屋の隅でこんな感じで産卵をすることもあるでしょう。

マダニの産卵から孵化まで
産卵から23日が経ちました。
卵が白っぽく見えます。
そしてよく見ると・・・。

マダニの産卵から孵化まで
幼虫が孵化していました。

マダニの産卵から孵化まで
小さく可愛いダニ。

マダニ 産卵前と後
産卵前(上)と産卵後(下)。
卵を産み終えた母親は、その場で死んでしまいます。

マダニの産卵から孵化まで
産卵開始から約1ヶ月。
たくさんのマダニたちが孵化をしました。
孵化した幼虫たちは、このように群れていることが多いのですが、ケースを揺らしたり息を吹きかけたりすると一斉に動き出して分散を始めます。
野外でも、孵化後の幼虫たちは草や枝先などで群れていることが多く、吸血相手が通りかかるのを待ち続けています。
そして寄主が通った瞬間に飛び移るのです。
そのため、山を歩いていると気が付くと大量の小さなマダニが付いていることがあるのです。
マレーシアのマダニは刺された場所がものすごく痛かったです。

マダニ 吸血
先月、沖縄から帰宅してから、腹部が痒かったので触れたところピリピリ痛みました。
この感じはもしかして?と思いよく見たところ・・・。

マダニ 吸血
マダニの幼虫が吸血していました・・・。

山や茂みに入るときはマダニに注意しましょう。
街中の公園にも普通にいます。
マダニはSFTSなどの恐ろしいウイルスを保有している恐れがあり、ダニ専門家でもない限り飼育するのは危険なため、今回孵化した幼虫たちは、この後全て液浸標本にしました。
皆さんも刺されないよう十分ご注意ください。