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Apple(アップル)がApp Storeに変更を加える。iOS 15、iPadOS 15、およびmacOS MontereyデバイスのApp Store製品ページに「問題を報告」リンクを復活させる。ユーザーがアプリに関する問題を簡単に報告する方法を提供する。アプリに不快なコンテンツや違法なコンテンツが含まれていないか、あるいは消費者からお金を騙し取ろうとしていないかなどを報告することができる。Appleは数年前、App Storeからユーザーフレンドリーな「問題を報告」ボタンを削除したが、それはあだとなったのかもしれない。新たな報告によると、上位アプリの多くが詐欺であり、消費者に数百万ドル(数億円)の損害を与えている。Appleはこの状況について議会から質問を受けたこともある。

このボタンの復活は今週初めに発見の報告があったものの、Appleは米国時間10月6日まで正式に発表していなかった。

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Appleによると、この新機能は現在、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドで提供されており、時間をかけて他の市場でも提供していくとのことだ(ただし、厳密にはこの機能は新しいものではなく、このようなボタンはApp Storeの初期の頃には重要な機能だった)。

「Report a Problem(問題を報告)」ボタンのある古いApp Storeの例(画像クレジット:Dummies.com)

このボタンは、ユーザーがインストールしたアプリにのみ表示される。

ボタンをクリックすると、ユーザーはreportaproblem.apple.comで「詐欺または不正行為を報告」や「有害な、乱用的な、または違法なコンテンツを報告」などのオプションを選択することができる。また、アプリ内課金を含まない無料アプリの問題も報告できるようになる。

App Storeのスクリーンショット、2021年10月

Appleによると、AppleのApp Review、Discovery Fraud and Live Moderation、Financial Fraudの各チームは、報告された問題について、不正、人為的操作、乱用、その他のApp Store Review Guidelines違反の兆候がないか調査する。そして、発見した問題を解決するために開発者に連絡を取る。ただし、消費者に対する直接的な金銭的救済措置については言及していない。消費者はこれまで通り、このページから別の手続きで返金を要求しなければならない。

Appleが数年前にサブスクリプションモデルに移行して以来、App Storeでの詐欺行為は明白で悪質なものとなり、多くの場合、収益性が高い。悪質な業者らは同モデルに移行してすぐに、ビルトインされたツールを利用して消費者を騙し、サブスクリプション購入に誘導しようとした。Appleは、定額制アプリに「ダークパターン」やその他の不正な手段を使おうとする開発者を捕まえることを目的とした新しいガイドラインを発表した

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ある開発者、特定して言えば、詐欺師によって失われた収益をめぐってAppleを提訴したKosta Eleftheriou(コスタ・エレフテリオ)氏は、App Storeにおける最悪の詐欺行為に焦点を当てることを自らの使命としている。

同氏自身のビジネスに影響を与えたその詐欺では、Apple Watchアプリの偽物が消費者から数百万ドル(数億円)を騙し取ったと言われている。同氏はまた、エンドユーザーにとっていかに大胆で悲惨な行為であるかという理由で見出しを飾った詐欺も発見した。その中には、ユーザーの生活費(約60万ドル=約6600万円)をビットコインで騙し取った暗号資産ウォレットアプリや、実はオンラインカジノが隠れている子ども向けゲーム、年間500万ドル(約5億5000万円)を騙し取っていたVPNアプリなどがある。

エレフテリオ氏は現在、App Storeの詐欺事件をもう1件調査しており、近日中に公開する予定だと話している。この事件では、数百万件ダウンロードされたアプリの開発者が、数千万ドル(数十億円)の収益を上げていた。

同氏の仕事は、AppleがApp Storeの不正行為対策にどれだけ投資しているかについて疑問を投げかけた。結局のところ、1人の開発者が空いた時間に次から次へと詐欺を暴くことができるなら、世界で最も価値のある企業にもできるのではないだろうか。

実際、同氏は、より簡単に詐欺を発見するためのシステムさえ開発した。「Bunco Squad」というこのツールは、アプリの評価、レビュー、ダウンロード数、収益などの指標をダッシュボードに表示し、アプリに信頼度のスコアを付与する。詐欺師の多くは偽の評価を購入しているため、アプリの総合的な星評価とレビューの記載があるもののみから算出した評価を比較し、詐欺の可能性を見つけるというのは非常に簡明だ。

同氏は「Bunco Squad」をApp Storeで公開しようとしたが、当然のことながら却下された。Appleからは、アプリが提供する情報の一部が不正確である可能性があると言われたそうだ。

App Storeの不正に関する問題は、2021年になって議会にまで持ち込まれた。

Appleは、4月に行われた上院の反トラスト法に関する公聴会で、App Storeの詐欺師を止める能力がないように見えることについて質問を受けた。同社は、安全で信頼できるアプリ市場を維持するため、開発者に代わって詐欺行為に対処していることから、開発者に課す手数料を正当化していた。上院議員たちは、このようなApp Storeの詐欺行為を発見するために、なぜジャーナリストやその他の「オープンソースの報告」(エレフテリオ氏のような公の取り組みを指していると思われる)に頼らなければならないのかについて情報を求めた。

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そのときのAppleの回答は、セキュリティや不正行為との戦いは「いたちごっこ」であり、改善に努めているというものだった。

Appleは、10月6日の発表で、不正行為への効果的な対策には一般の人々からの協力が必要であることを認めたようだ。

同社は、App Storeの変更に関するお知らせという形ではあるが、一種の声明を発表した。その中で、同社が詐欺対策に十分な努力をしていないのは、おそらく詐欺アプリの収益がApp Storeの利益に貢献しているからだ、という噂を打ち消そうとしたようだ。

「問題のあるアプリは、ユーザーと開発者のApp Store体験を低下させます。私たちは、削除すべき問題のあるコンテンツの種類を特定する技術を常に拡げています。問題のあるアプリは削除され、その開発者はApple Developer Programのメンバーシップを失う可能性があります」と述べている。

「Appleは、App Storeがすべての開発者にすばらしい機会を提供し続けるために、問題のあるアプリからユーザーを保護することに深くコミットしています」と付け加えている。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi