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 8日午前8時45分ごろ、九州新幹線熊本―新八代間を走行中のさくら401号(広島発鹿児島中央行き、8両編成)の3号車で非常ブザーが鳴り、熊本県宇城市内で緊急停車した。車掌が確認すると、3号車内で煙が上がっていたため消火作業をして間もなく鎮火した。熊本県警は、車両の床に火を付けたとして福岡市博多区大博町、職業不詳、三宅潔容疑者(69)を現住建造物等放火未遂容疑で現行犯逮捕した。

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 県警によると、三宅容疑者は容疑を認め、液体をまいて、持っていたレシートに使い捨てライターで火を付け床に投げたという趣旨の説明をしている。新幹線には熊本駅から乗り、「(東京都内で10月31日に起きた)京王線の事件のニュースを見て、まねをした」と話しているという。

 八代広域行政事務組合消防本部(熊本県八代市)によると、三宅容疑者がライターで自分の衣類に火を付けたとの情報もある。午前9時5分に鎮火し、シートが約20平方センチ燃えたという。県警の捜査などのため、新幹線は新八代駅に約40分停車した後、運転を再開した。

 JR九州によると、さくら401号には約140人、自由席の3号車には約30人が乗っていたが、三宅容疑者を含めけが人はなかった。石川県から仕事で来ていて、鹿児島中央駅に到着した男性(80)は「8号車に乗っていたが、『火事だ』と言いながら乗客が走って逃げてきて、とても怖かった。列車内での事件が続いており不安だ」と話した。JR九州によると、九州新幹線は上下計4本が運休。最大51分の遅れが出て約900人に影響した。

 京王線の事件では、特急電車内で男が乗客を刺したり、ライター用オイルをまいて火をつけたりして乗客17人が重軽傷を負った。【山本泰久、白川徹、土田暁彦】