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この時季特につらい「冷え性」や「肌の乾燥・ざらつき」「眠りの浅さ」、それもしかして『血』からくる不調なのかも? 症状別の血液状態と、それぞれにおススメのケアを紹介!〈不調に悩む女性の為の健康美容エステティシャン・白崎順子が伝授〉

実はそれ血液からくる不調です

30代女性のカラダのお悩みと言えば「冷え性」や「肩こり」「生理痛」「便秘」などではないでしょうか? 実はこれらの原因に共通していることは「血液」なんです。

もちろんカラダだけでなくお肌のお悩み「にきび」や「乾燥」「ざらつき」などにも「血液」は深く関係しています。そこで今日はそれらのお悩みの解決策を東洋医学を使って説明していきます。

なぜ東洋医学?

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東洋医学と聞くと漢方薬や鍼灸のイメージが強いかもしれません。もちろんそれらも東洋医学の中のひとつですが、自分ではできないことばかりではなく、自分でもできることが大半なのです。

自分のコンディションを知りそれに対する生活習慣や食事を整えることを「養生法」(ようじょうほう)と言います。薬や手術など西洋医学が発展する前の時代から行われてきた民間療法で、カラダやメンタルのバランスを整えたり、病気を予防するための手段として慣れ親しまれてきました。

現代では、薬が手軽に手に入るので少しの不調でも薬を飲んだりと対処できますが、副作用があったり根本的な原因の解決には至らない場合も。不調が増えてくる30代からは東洋医学を知ることで繰り返すその不調の原因を知り、解決に向けて自分に合った養生法を試してみてはいかがでしょうか?

血液はカラダを構成する大切な3要素

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東洋医学思想の中でカラダを構成する大切な3要素を「気血水」と言います。主に精神のコントロールや自律神経と関りのある要素を「気」、カラダを巡って筋肉やお肌など私たちのカラダの全てに酸素や栄養を届ける要素を「血」、カラダを循環しながらすみずみを潤し要らないものは排泄する要素を「水」。

これらは単体でその活動をするのではなく3つの要素がバランスを取り合いながら私たちのカラダを健康な状態へと保ってくれています。その中でも今日は「血」からくる不調について解説していきます。

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「血」は不足したり滞るもの?

血液の状態は大きく2つに分けられます。ひとつは血液が不足状態の「血虚」(けっきょ)。もうひとつは血液中に余分なものが多すぎる状態の「瘀血」(おけつ)。それぞれにどのような不調が出やすいかと、解決策を紹介していきます。

◆血が不足している「血虚」に多い症状

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□ 貧血の傾向やめまいがある
□ 冷えを感じやすい
□ 体温が35度台である
□ 眠りが浅い(夢を見ることが多い)
□ 手先がしびれることがある
□ 生理周期が遅くなることが多い
□ 経血の量が少ない
□ 爪が割れやすい
□ 肌が乾燥しやすく艶がない
□ 不安になりやすい

血が不足している「血虚」の女性におススメのケア

このタイプの方は偏った食事や過度なダイエットなどで栄養が不足して上手く血液が作られていない傾向にあります。バランス良くしっかり血液を作る食材を選ぶ工夫が大切です。血液を作る為に必要な栄養素は「たんぱく質」「鉄分」「葉酸」「ビタミンB12」。

中でも、鶏レバーや豚レバーはそれらの栄養を全て含む優秀な補血食材です。臭みが気になる人は下処理に塩・酢・牛乳などを使うとかなり食べやすくなるのでおススメです。他にも特に不足しやすい鉄分を多く含むたんぱく質として、あさりやしじみ、帆立や牡蠣などの貝類、マグロやカツオなどの赤身魚、豚ひれ肉や牛サーロインなどの肉類です。

野菜や海藻類だと鉄分の吸収を助ける葉酸やビタミンCを多く含むほうれん草や小松菜、海苔やひじきなどがおススメです。しかし、野菜や海藻類の鉄分はカラダに吸収されにくい「非ヘム鉄」となりますので、上記に挙げたたんぱく質に含まれる「ヘム鉄」と一緒に摂る事がおススメです。

さらに鉄分はコーヒーや紅茶、緑茶などに含まれる「タンニン」を摂ってしまうと吸収が阻害されてしまうのでなるべく食後のコーヒーなどは食後1時間程度空けてから楽しむと良いでしょう。

◆血が汚れている「瘀血」に多い症状

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□ 肩こりや腰痛がある
□ 便秘になりやすい
□ 生理痛がある
□ 経血にレバー状の塊が出る
□ 頭痛が起こりやすい
□ ニキビができやすい
□ 肌のくすみやざらつきがある
□ 目の下にクマができている
□ 唇や舌が紫色になりやすい
□ イライラしやすい

血が汚れている「瘀血」の女性におススメのケア

このタイプの方は血液の汚れを招きやすい食べ物を減らす工夫が大切です。ドロドロに汚れた血液は全身に巡る力が弱く栄養や酸素を運ぶ力も弱くなるため、お肌トラブルや肩こり、腰痛などが起きやすい状態になります。

血液の汚れを招きやすい食事は脂身の多い肉類、揚げ物や中華料理などの油を多く使う料理、お菓子やジャンクフードに多く含まれるマーガリン、ショートニング、植物油脂などのトランス脂肪酸。アルコールや添加物の多い加工食品などです。

まずはこれらをなるべく減らす工夫をして、血液をサラサラにする食材を多く選びましょう。中でもおススメの食材は「EPA」や「DHA」という血液の流れを良くする作用がある脂を多く含む鯖やイワシなどの青魚です。特に焼くよりも煮魚にしたほうがそれらをしっかり摂ることができるのでお手軽に鯖缶などがおススメです。(なるべく国産の鯖を使用し化学調味料不使用のものを選ぶことをおススメします)

そして、油の種類をサラダ油ではなくオリーブオイルやアマニ油、えごま油などカラダに負担が少ない良質な油に切り替えたり、調理法を「揚げる・炒める」から「蒸す・煮る」などの油を減らす工夫をしましょう。他にも、トマトや玉ねぎ、柑橘類やお酢、昆布やわかめなどの海藻類、緑黄色野菜などがおススメです。

* * *

当たり前のことですが、私たちのカラダやお肌は食べ物から作られています。その中でも特に血液は私たちの健康と美容に大きく関わっていますよね。

不調がある人だけでなく、もっとキレイになりたい人は血液の「質」と「巡り」を意識した食事を心がけることが大切。今日の食事が未来の自分を創っています。30代からの本物のアンチエイジングケアとしても参考にしてみてください。

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