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評価 3.9 

本稿は、2021年2月19日に発売されたM-SOUNDSの完全ワイヤレスイヤホン「MS-TW22」のレビューです。約2週間使ってみての率直な意見を記載しています。

アクティブノイズキャンセリング(ANC)や外音取込みといった機能を省き、音質やバッテリー、接続安定性といった基本性能に力を入れたモデルです。

一番気に入ったのは「3Dロングノズル機構」です。耳の奥まで音が届く設計のため、細かい音もしっかり聴くことができます。その他細かいレビューは以下に記載していきます。

メーカー小売価格7,200円(税抜)と安価であり、高音質でストレスなく「シンプル」に音楽を楽しみたい方にオススメのワイヤレスイヤホンです。

製品仕様とスペック

Bluetooth Ver.5.1
ドライバーサイズ ダイナミック型 φ6mm
周波数帯域 20~20,000Hz
対応コーデック SBC,AAC,aptX
インピーダンス 16Ω
感度 90dB
バッテリー容量 充電ケース:460mAh
イヤホン:50mAh
防水性能 IP54
連続再生時間 約8時間
最大再生時間
充電ケース込
約32時間
充電時間 充電ケース:約2時間
イヤホン:約1.5時間

今回レビューするのはBlack×Goldカラーですが、以下の画像のように全部で4種類のカラーを取り揃えています。カラー違いによる性能・値段違いはありません。

イヤホンと充電ケースともに単色ではなく2カラー構成になっています。デザインと色の使い分けが絶妙であり、女性へのプレゼントにも喜ばれると思います。(時期的にホワイトデーのお返しに最適!)

Jet Black×Gold
Cream Pink×Rose Gold
Midnight Blue×Navy
Milky White×Gold

イヤホンと充電ケースともに質感は「マット」に近く、さらさらとした気持ちいい触り心地です。皮脂も目立ちにくいです。

パッケージと内容物

パッケージは正方形で中身が確認できます。

内容物はM-SOUNDS MS-TW22本体、充電ケース、USB-TypeCケーブル、ハイブリッドイヤーピース(S/M/Lサイズ)、Ag⁺抗菌材入りイヤーピース(S/M/Lサイズ)、取扱説明書(リファレンス・クイックスタートガイド)となります。

追加で載せてますが、右上のスポンジが入っておりイヤーピースやケーブルが動くのを防いでいます。細かい気遣いが素晴らしい。

M-SOUNDS MS-TW22 特徴

■3Dロングノズル機構

鼓膜までしっかり細かい音を届けてくれる「3Dロングノズル機構」が一番の売りだと感じました。

ほとんどのイヤホンは奥までしっかり挿し込むとイヤーピースのサイズ関係なく、圧迫感を感じてしまいストレスとなっていました。

3Dロングノズルのおかげで、耳の奥までしっかり挿し込んでも圧迫感がないのにフィット感は得られています。また、遮音性や音漏れの低減にも貢献しています。一石二鳥以上の効果があります。

この機構により、イヤホン本体が耳から少し出るため、指で支えながらボタン操作が可能です。支えずにボタン操作すると内耳が刺激され、耳の奥が痛くなる経験をしたことがあります。これを防げるのは非常に嬉しい仕様です。

以上より、ユーザー目線の設計がなされているなと感心してしまいました

■コンパクトで軽い

私が持っている完全ワイヤレスイヤホンの中でも1,2を争う小ささであり、コンパクトなイヤホンをお探しの方にオススメです。

イヤホン片側で4gと軽量なので、長時間付けていても疲れにくく、長時間作業や移動時のイヤホンとして最適です

イヤホンだけでなく、充電ケースもコンパクトで鞄に入れても場所を取りません。

■豊富なイヤーピースが付属

上記で記載したようにNC機能はありませんが、付属のハイブリッドイヤーピース(半透明)の高遮音性によりノイズを低減してくれます。電車の走行音や会話音も大きく低減できます。

これを別途購入しなくていいのは結構お得だと思います。

また、清潔感を保ちたい方向けに「Ag⁺抗菌剤入り」イヤーピース(黒色)も付属されています。両イヤーピースともにS/M/Lサイズが同梱されており、自分に合ったフィット感を選べます。

■運動や雨天時も使用可能な防水防塵性能

花粉や梅雨の時期が到来しても安心して使える防水防塵性能です。試しに雨天時やランニングで使いましたが故障することなく使えています。水滴や粉塵にも強く、環境に頼らず安心して使えます。

防水等級上、水道水などでジャブジャブ水洗いするのは止めたほうがいいです。もし洗いたい方は弱めのシャワーでサッと流し、布でしっかり拭き取るといいでしょう。

IP54なので、粉塵が内部に侵入しない設計です。砂埃や花粉が飛び交う環境でもノープロブレムです。

※IP54の「5」が防塵性能、「4」が防水性能の等級を示しています。

パフォーマンス(基本性能)

■音質

高音域 3.5 
中音域 4.0
低音域 4.0
解像度 4.5
迫力 4.0
音場感 2.5

最初に聴いて驚いたのは、中高音の解像度が非常に高くハッキリとした音を出してくれるところです楽器一つ一つの細かい音が聴け、今まで慣れ親しんだ曲でも新たな音を発見できます

ワイヤレスイヤホンの解像度とは思えない素晴らしさです

耳の奥までしっかり音が届くので、低音のズン!ズン!という響きを感じることができます。小さい筐体からは想像できない迫力です。ボーカルとの相性も良く、疲れにくく聴きやすいです。

その代わりに、音場感はほとんど感じられません。全ての音が同じ位置から鳴っている印象を受けました。高・中・低音を分離して音楽を楽しみたい方には向かないかもしれません。

ボーカルメインであれば、どんなジャンルでも相性が良いと思います。私は、透明感のある女性ボーカルでうっとり聴き入ってしまいました

■遮音性

遮音性 4.5

イヤーピースの豊富さ」と「3Dロングノズル機構」によりイヤホンと耳に隙間が出来にくく、最高の遮音性を実現。数あるワイヤレスイヤホンの中でもトップレベルの遮音性を誇ります。1万円以下でこの性能は素晴らしいの一言。

ノイキャン機能で音質が変わるのが嫌!ノイズを極力抑えたい!安価なイヤホンがいい!という方に使って頂きたいイヤホンです

■フィット感

フィット感 4.5

遮音性の評価でも記載した通り、3Dロングノズル機構により耳の奥までしっかり挿しこめるため高いフィット感を得られます

ランニングのように多少上下運動をしても全くブレることなく安心して使えます。いつの間にか落としてしまうこともなかったです。

電車の忘れ物は「ワイヤレスイヤホン」がダントツで多いそうです。設計者もそういう点を考慮して開発しているのでしょう。

MS-TW22は音量や曲送りがタッチボタン式ですが、ボタンを複数回押してもズレない装着感を実現できています

■バッテリー

バッテリー 4.0

こんなにコンパクトで軽いのにイヤホン単体で約8時間半使用できました。多少個体差はあるかと思いますが十分過ぎる長寿命性能です。

これはiPhone12とのBluetooth接続(AACコーデック)による結果です。

PCにBluetoothアダプターを付け、高音質コーデックaptXでもバッテリー寿命を計測してみたところ、公式発表の通り3割減の約6時間となりました。

テレワーク、運動、通勤用など使う場面が多くても安心して使えるバッテリー性能となります

イヤホンケース(充電ケース)で約3回分充電が可能であり、インジケーターによりケース開閉時にバッテリー残量がわかる仕様です。一目でわかるので実にいい!

残念ながらワイヤレス充電には対応していません。これが唯一残念に感じたポイントでした…。USB Type-Cケーブルは同梱されているのでご安心下さい。

■接続安定性

接続安定性 3.5

通勤時の満員電車内で検証を実施

10回程度乗った結果、1,2回音途切れが発生しました。ただ一瞬なのでそれほどストレスに感じることはなく、それ以外は特に問題ありませんでした。正直気にならないレベルです。

Bluetoothのバージョンも5.1と新しく、混雑環境下でも安定した接続性を確保できています。

本イヤホンはペアリングが優秀であり、イヤホンケースを開くだけでスマホとの接続が完了します。「イヤホン片側をケースから出す」「ボタンを押す」などの複雑操作は不要であり、ワイヤレスイヤホン初心者の方も安心して設定できます。

■遅延

遅延 3.5

iPhone(AAC接続)でYouTubeなどの動画を楽しむ時に映像と音声に若干遅延を感じました。遅延に注目しないと分からないレベルなので、そこまで気にならないかと思います。

aptX対応のアダプターとのBluetooth接続で少しだけ遅延を改善できます。劇的なレベルではないのでご注意下さい。(アダプターはPC用です)

もしゲーム用にワイヤレスイヤホンを検討されている方は、aptX LL(Low Latency)に対応したイヤホンを選ぶといいです。純粋に音楽だけを楽しみたい方は気にしなくても大丈夫です

AAC,aptX,aptX LLなどコーデックについて知りたい方はこちらの記事を参照下さい。

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評価一覧

高音域 3.5
中音域 4.0
低音域 4.0
解像度 4.5
迫力 4.0
音場感 2.5
遮音性 4.5
フィット感 4.5
バッテリー 4.0
接続安定性 3.5
遅延 3.5
総合評価 3.9

まとめ

1万円以下のワイヤレスイヤホンとは思えない高解像度な音質は、企業努力の賜物です。純粋に音楽を楽しめるイヤホンであり、ANCや外音取込み機能を省くことで7,200円という高コスパの価格設定を実現できていると感じました。

小さな筐体なのにバッテリー持ちが良い点も気に入っています。充電ケースを併用すれば最大32時間も使えるため、充電頻度も減り、日々のストレスを軽減できます。

3Dロングノズル機構は、ある意味ワイヤレスイヤホンの革命だと思っています。音質・遮音性・フィット感の全てに貢献しており、シーンを選ぶことなく使っています。

本稿では記載していませんが、マイクの音質も素晴らしくテレワークでも積極的に使っています。

公式製品ページはこちらから