イスラム主義勢力タリバンが復権し、人道危機が深刻化しているアフガニスタンでは、本格的な冬の到来を前に、国連が支援物資の空輸を急ピッチで進めています。
アフガニスタンでは20年ぶりに復権したタリバンが暫定政権を発足させていますが、アメリカなどが国家として承認せず海外資産を凍結しているため、経済が悪化して食料不足などの人道危機が深刻化しています。
本格的な冬の到来を前にUNHCR=国連難民高等弁務官事務所は、支援物資の空輸を急ピッチで進めています。
首都カブールにある空港には、7日までに避難民用のテントの断熱効果を高める資材およそ100トンがチャーター便で到着しました。
UNHCRによりますと、タリバンの攻勢などでことしだけで70万人が家を追われて国内避難民となり、テント暮らしを余儀なくされている家族も少なくないということです。
UNHCRカブール事務所の森山毅さんは「多くの人々が困窮し、なかには子どもを売る家族もいます。冬の厳しい寒さでこれまでにない最悪の人道危機になりかねません」と話しています。