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真珠湾攻撃から80年のことし、地元ホノルルの高校では、太平洋戦争中の日系アメリカ人に対する差別などについて学ぶカリキュラムが始まりました。

真珠湾攻撃のおよそ2か月後の1942年2月、アメリカでは当時のルーズベルト大統領が出した大統領令によって、およそ12万人の日系人たちが「日本軍に協力するおそれがある」などとして、山岳地帯などに作られた施設に強制収容されました。

こうした中、日系人たちはアメリカへの忠誠を身をもって示そうと、多くの人が志願兵になりました。

特に、ヨーロッパ戦線に送り込まれた、日系人を中心とする第100歩兵大隊と第442連隊は、ドイツ軍との激しい戦闘で「GoForBroke=当たって砕けろ」という標語を掲げ、多くの戦死者を出しながらも大きな戦果をあげました。

しかし、日系人に対する差別は戦後も続きました。

これに対して、かつて第442連隊に所属し、戦後50年間にわたって上院議員を務めたダニエル・イノウエをはじめとする政治家などが、アメリカ社会における日系人の地位を確立しようと取り組み続けました。

そして1988年、当時のレーガン大統領が強制収容を公式に謝罪し、アメリカ議会も強制収容によって人権が侵害されたことを認め、日系人に謝罪するとともに、政府が賠償することを定めた法律を制定しました。

また、アメリカ海軍は今月12月8日、「ダニエル・イノウエ」という名前の駆逐艦を就役させます。

日系人の名前がアメリカ海軍の艦船に付けられるのは初めてだということです。