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 山梨県富士吉田市の堀内茂市長は8日の定例記者会見で、政府が新型コロナウイルスの経済対策で実施する18歳以下の子供を対象とした10万円相当の給付に関し、全額を現金で支給する方針を明らかにした。政府は、10万円のうち5万円を現金、残る5万円を原則クーポンで配るよう自治体に求めているが、クーポン配布の事務作業が煩雑になるなどとして「大変ばかばかしい」と政府方針を批判した。

膨らむクーポン事務費 自公が生んだ本末転倒

 堀内市長は「迅速かつすぐに役立つ、ということを大前提に考えると、現金給付が好ましい」と主張。クーポン配布について、印刷・発送、コールセンター設置や使用できる店舗の設定などの事務作業を挙げ「(国は)余計な経費がかかり、(自治体の)作業も非常に複雑になる」と疑問を投げ掛けた。

 現金での給付時期については5万円を年内に、残る5万円をクーポンの配布時期に合わせ2022年3月末までに完了させると表明。市によると、18歳以下の支給対象者は6830人。市幹部は会見終了後「クーポンは配布し終えるまで相当の時間がかかり、年度内配布ができなくなる可能性もある。現金だと年度内給付が可能だ」と述べた。

 さらに「ワクチンにしても給付金にしても指示があいまい。自治体の苦労や現場の人たちのことを考えていない」と、怒りの矛先は国の姿勢そのものに向けられた。

 それでも収まらない様子で「どちらを選ぶか、キャッシュ(での給付)にするかは、自治体の責任になってくる」と述べ、「こんな国のやり方はずるい、と思う。全国一律に方針を決めて、自治体に指示すべきだ」と注文をつけた。【山本悟】