岸田文雄首相が4日に就任して以降、株式市場が新政権への評価を決めかねている。就任5営業日までの日経平均株価の騰落率は2.5%の下落で、小泉純一郎首相就任以降10回の首相交代の中では3番目の悪さ。一方、このところの株価は海外要因にも左右されており、株式市場が岸田政権に落第点をつけたとは言い難い。ただし、富の分配を強調する岸田首相に対しては、税制面などで投資家心理を冷やしかねない政策を取るとの不安もくすぶる。市場では政治の方向性は来年夏まで見えてこないとの見方もあり、評価は当面、保留されたといえそうだ。