もっと詳しく

入国隔離期間を10日から3日に短縮・・・コロナ新指標も発表

 8日からビジネス目的での入国時の隔離期間が条件付きで10日から3日に短縮されるなど、緩和の動きが進んでいます。また、政府の分科会は医療ひっ迫を重視したコロナ対策の新指標をまとめました。

田村真子アナウンサー
「きょうから水際対策が大幅に緩和され、到着した人たちが続々と出てきています」

 ワクチン接種などを条件に、10日だった待機期間が3日に短縮された8日、日本に到着したビジネスマンからは期待の声が多く聞かれました。

海外出張から帰国
「(規制緩和で)だいぶ楽になりますよね、次の出張とかも行けますし。今回は久々なんですけど、これからは海外出張が続くと思うので」

 ただし、帰国後4日目以降は受け入れ先企業などが行動管理することが条件です。活動計画書を作って事前に所管する省庁が審査します。

スペイン在住で出張
「厚生労働省のサイトも見たが書類が多すぎて、僕みたいな個人事業主だと出しにくいところもあるので大変」

 緩和を待ち望んでいた経団連は会見で、ビジネス目的の日本人についてはワクチン接種済みを条件に「待機そのものの免除」を改めて求めました。

経団連 十倉雅和会長
「少なくとも政府は、14日間を10日にして3日に期間を縮めたので、そう遠くない将来にいいところまでご判断いただけるのではないかと思う」

 また、原則停止していた外国人留学生や技能実習生などの入国も再開しました。

 こちらはコロナ禍の前は、およそ650人が通っていた日本語学校。今はその半分以下です。

日本語学校職員
「私たちは1年以上学生たちを首を長くして待っていましたので、入国できるようになれば早く来ていただきたいです」

 留学希望者の多くは、母国でオンライン授業を受けてきました。昼夜逆転の生活を送っている人も・・・

ドイツの学生(19)
「今は、朝1時20分からオンライン授業を受けて、朝5時20分に終わっています。なので普通に生活が出来ないです」

 来日して学ぶ重要性を実感しているといいます。

香港の学生(18)
「私は早く入国して日本で勉強したいです。日本語は読めるし、書けるけど話すのはまだまだです。環境がないから練習する相手がいない、学ぶのが難しい」

 ただ、全員がすぐに日本に来ることができるわけではありません。1日に入国を認める人数を引き続き制限しているほか、多くの手続きが必要で、受け入れ準備を急ピッチで進めています。

田村真子アナウンサー
「(留学生の)隔離中の健康・行動管理を求められる学校の負担は大きい?」

日本語学校 校長
「負担は大きいですね。ホテルとかウィークリーマンションとかを契約して、いま準備を進めているところ」

 感染が再拡大しないうちに留学生を受け入れることができるか、校長は懸念しています。

 8日に開かれた政府の新型コロナ対策分科会。病床の確保など、これまでコロナ対策を検討する際の「ステージ」を見直し、医療のひっ迫度をより重視する新たな指標を設ける案が了承されました。

政府コロナ分科会 尾身茂会長
「医療ひっ迫が生じない水準に感染を抑えるということで、日常生活、社会生活を徐々に回復したい、これが今回の提案の主たる目的」

 新しい指標は5段階で示され、▼新規感染者数ゼロを維持できる状況を「レベル0」、▼感染者がいても安定的に一般医療が確保できる「レベル1」、▼感染者が増加傾向にある「レベル2」、▼これまでのステージ3・4に相当し、一般医療をかなり制限しなければいけない状況を「レベル3」に。この状況下では、緊急事態宣言などの強い対策を打つべきだとしています。▼最も深刻な「レベル4」は、一般医療を大きく制限してもコロナ対応できない「避けたいレベル」となっています。

政府コロナ分科会 尾身茂会長
「みんなが学んだことを生かして対策を実施すれば、今回のような危機的状況を回避することは可能」

 東京都の新規感染者が12日連続で30人を下回るなど、全国的に減少傾向が続いています。しかし、海外に目を向けると・・・

 中国の河南省鄭州市で撮影された映像では、幼稚園児たちが健康状態などが入力されたQRコードを首からぶらさげ、PCR検査を待っています。

 中国では先月中旬からの感染者が1000人近く確認され、再拡大が懸念されているのです。ロシアでは、1日の感染者が4万人を超えるなど過去最多を更新。アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のコロナ統計によると、ロシアのほかドイツでも感染者が急激に増加しています。

 専門家は“日本も油断できない”と指摘します。

国際医療福祉大学 松本哲哉主任教授
「今、旭川などでもクラスターが起こっているし、ほかの地域でもクラスターが起こっている。感染が拡大しやすい要因は冬のほうがそろってくるので、ワクチン接種がある程度進んだからといって、それだけでは安心できない。プラスアルファの感染対策を継続していくことが大事だと思う」