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東京・渋谷区の焼き肉店で刃物を持った男が店長を人質にとって立てこもった事件で、警視庁は事件発生からおよそ3時間後、28歳の容疑者を監禁の疑いで逮捕しました。
調べに対して「警察に捕まって人生を終わりにしたかった」などと供述しているということで警視庁が詳しいいきさつを調べています。

8日午後9時ごろ、東京・渋谷区代々木のビルの地下1階にある焼き肉店で客として店内にいた男が49歳の男性店長を人質にとり、立てこもりました。
捜査関係者によりますと男は刃物を持っていたほか、腕にテープのようなものを巻きつけていて、店長に「爆弾を起動した」などと書かれたメモを手渡したということです。
また、携帯電話を取り付けた箱を持っていて、「爆弾だ」などと話していたということです。
現場では、通報を受けた警視庁の捜査員が説得を続けていましたが、事件発生からおよそ3時間後の9日午前0時すぎ、店内で取り押さえて監禁の疑いで逮捕しました。
店長は店の裏口から助け出されけがはないということです。
警視庁によりますと、逮捕されたのは住所・職業ともに不詳の荒木秋冬容疑者(28)で、立てこもっていた際、捜査員に、「俺の人生を終わらせてくれ。死刑にしてくれ」などと話していたということです。
また、逮捕後の調べに対して「警察に捕まって人生を終わりにしたかった。捕まる前に焼き肉が食べたかった」などと供述しているということです。
実際には爆発物は持っていなかったとみられ、警視庁が、詳しいいきさつを調べています。
現場はJR代々木駅に近い飲食店が入ったビルなどが多く建ち並ぶ場所で、周辺には多くの捜査車両が集まり騒然となりました。

捜査関係者によりますと、荒木容疑者は8日、現場の焼き肉店に入って食事をした後、午後9時すぎになって「爆弾を起動した。警察に連絡しろ。騒ぐな」という内容が書かれたメモを49歳の男性の店長に手渡したということです。
そして店の入り口付近にいすでバリケードを作った上で、店長を人質にして立てこもりました。
この時、店内にいたのは容疑者と店長の2人だけだったとみられています。
立てこもっている間、容疑者は店のものとみられる刃渡りおよそ30センチの牛刀を所持していたほか、携帯電話を取り付けた箱を腕にテープのようなもので巻き付けていて、店長に「爆弾だ」と説明していたということです。
その後、通報を受けて駆けつけた警視庁の捜査員が説得にあたりましたが、「俺の人生を終わらせてくれ。死刑にしてくれ」などと話し、店にあった酒を飲みながら立てこもりを続けたということです。
そして発生からおよそ3時間後の9日午前0時すぎ、捜査員が店の奥の裏口から店長を救出します。
これを受けて、捜査員たちは店内にせん光弾を投げ入れた上で、正面の入り口と裏口から一斉に突入しました。
その際、容疑者は入り口付近で暴れて抵抗したということですが、捜査員にその場で取り押さえられ、監禁の疑いで逮捕されました。
ポケットには、牛刀とは別に果物ナイフも入っていたということです。