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 東京の小田急線の車内で男が包丁で乗客を次々と襲った事件。車内に居合わせ、けが人の手当てをした看護師の女性がJNNの取材に応じ、緊迫した当時の状況を語りました。

 「ナイフを持った男が!」
 「ナイフ!?」
 「殺人事件だ、殺人」

 先週金曜日の夜。乗客が次々と刃物で襲われ、騒然となる小田急線の車内。けが人の手当てにあたる女性の声が記録されていました。

 「誰か布持ってる人います?わたし看護師なので」

 声の主は20代の看護師の女性。JNNの取材に当時の状況を証言しました。

 「私が何とかするしかないと思って、無我夢中で。私が被害者女性の手を握って、もう大丈夫だからね、頑張ってね、深呼吸してねって」(現場に居合わせた看護師)

 捜査関係者によりますと、対馬悠介容疑者(36)は6号車から乗車すると、すぐに隣の7号車に移動。ドアの近くに立ちました。数分後、突然、トートバッグから包丁を取り出し、向かい側のシートの端の席に座っていた女子大学生を刺し、重傷を負わせたのです。

 刃物を振り回して次々と乗客を襲いながら車両を移動、サラダ油をまき、大型ライターで火をつけようとしますが、火はつかず、乗客が逃げるために開けた非常ドアから逃走しました。この間、2分ほどの犯行でした。

 「電車の廊下が血まみれになっていたところと、物がスマートフォンとか傘とかイヤホンとかが散乱しているところを見た光景が覚えてますね」(現場に居合わせた看護師)

 「ターゲットにしている勝ち組の女性に見えたので狙った」(対馬容疑者)

 対馬容疑者は、現場となった世田谷区内の小中学校を卒業後、都内の高校に進学。中央大学理工学部に入学しますが、5年間在籍したあと中退。

 「サークル活動で女性から見下された」(対馬容疑者)

 派遣社員としてコンビニや工場で働くなど職を転々としていたといいます。対馬容疑者は「幸せそうなカップルを殺そうと以前から計画していた」とも供述しています。

 「自分も犯人に追いつかれて刺される危険もあったんだなって」(現場に居合わせた看護師)