あと3日で期限を迎えるはずだった緊急事態宣言。午後5時に始まった政府の対策本部で、宮城と岡山を除く19の都道府県について今月30日までの延長が正式に決まりました。
菅首相
「今後10月から11月の早い時期には、希望者全員のワクチン接種が完了いたします。それに向けて、ワクチンの接種証明や検査の陰性証明を活用し、制限を緩和していきます。認証制度を使って、飲食・イベント・旅行などの社会経済活動の正常化の道筋をつけてまいります」
政府の新型コロナ対策本部。「まん延防止措置」が適用されている地域では行動制限が一部、緩和されることが決まりました。
西村康稔 経済再生相
「感染が下降傾向にある場合には、酒類の提供等を可能とすることとしたい」
感染対策の認証を受けた飲食店などでは知事の判断で最長午後8時まで酒類を提供できるとしたのです。感染状況などを踏まえ、午後9時までの営業も可能です。
ただ、東京など緊急事態宣言が出ている地域での行動制限の緩和については慎重な意見も・・・
基本的対処方針分科会 尾身 茂 会長
「基本的には緊急事態宣言解除が前提ですから、きょう、随分確認しましたから、そういうことでよろしいですかと」
政府は宣言が出ていても、ワクチンの接種証明などを条件に県をまたぐ移動や飲食店での酒類提供を認めることを検討していますが、これに専門家たちが釘を刺したのです。
基本的対処方針分科会 尾身 茂 会長
「緊急事態宣言がまだ発令しているなかで、行動を緩めるというのは、やるべきではない、間違ったメッセージ。それはやめましょうと言った」
午後、国会でも・・・
立憲民主党 広田 一 衆院議員
「緊急事態宣言を延長しておいて、セットで緩和方針が出てくる。国民の目には、どういうふうに映るのか」
西村康稔 経済再生相
「将来の道筋をお示しすることで、この厳しい状況を我慢して頂けるという面もある」
結局、9日に決まった新たな基本的対処方針は行動制限の緩和について、“自治体との議論などを行い具体化を進める”と明記。一部の慎重論を押し切る形となりました。