あれから、もう4年が経ったのか…。なにかって、ランボルギーニのスーパーSUV、ウルスが2017年12月4日にサンタアガタ・ボロネーゼのランボルギーニ本社で世界デビューを果たしてからだ。2018年2月発売の「トップギア・ジャパン 014」でも、世界最速SUVとして、堂々と表紙を飾った。アヴェンタドールとウラカンに続く第3のスーパースポーツカーモデルとして、ウルスはラグジュアリーカーに「スーパー」という新たなセグメントを切り開き、パワー、パフォーマンス、ドライビングダイナミクス、デザイン、ラグジュアリー感、日常的な使い勝手の良さにおける基準を打ち立てたのだ。この4年間でSUVセグメントの主要な地位を占めるまでに飛躍したウルスは、アウトモビリ・ランボルギーニ最大の変革期の火蓋を切った存在でもある。
ウルスの登場以来、ランボルギーニの販売台数、売上、収益性は、歴史上かつてないレベルに達している。年々伸びを見せる売上は、発売開始年の10億900万ユーロ(1,400億円)から2018年には14億1,500万ユーロ(1,825億円)へと40%増加し、2020年には18億1,000万ユーロ(2,350億円)のピークに達し、2020年(コロナ禍期間)には16億1,000万ユーロ(2,075億円)と記録的な利益率を達成した。
世界総販売台数はさらに目覚ましく、2019年には8,205台(+43%)と、ウルス発売前の同期比では2倍に達した。2018年から2021年末の間に16,000台が世界各地に納車されたウルスは、発売後4年でランボルギーニ史上最大の人気を誇るモデルとなっている。販売先は5大陸すべてに及び、85%はランボルギーニを初めて購入する顧客だ。
設備面でも、ウルスプロジェクトを受けてサンタアガタ・ボロネーゼの生産拠点を8万平米から16万平米と規模を倍に拡張した。新たな施設とペイントショップを開設したほか、フィニッシュ部門、オフィスビル、テストコ
ース、物流倉庫、第2のトリジェネレーション設備およびエネルギーハブも新設した。この変革の時期を支えるためランボルギーニは人材にも大きく投資し、4年間で700人以上の正社員を新たに雇用した。
ウルスは最高出力650hp、最大トルク850Nmを叩き出すV8ツインターボエンジンを搭載、0-100km/h加速は3.6秒、最高速度は305km/hを誇る。ボディカラーも豊富で、発売当初は16色を用意した。現在では、専用ペイントショップの創設と、カスタマイゼーションの新たなオプションを開発するアドペルソナム部門により、45色超を取り揃えている。
6つのドライビングモード(Strada、Sport、Corsa、Sabbia、Terra、Neve)でドライバーを支えてくれる。加えてEGOシステムでセットアップをフルカスタマイズし、個人の運転スタイルや路面状況に合わせて快適な乗り心地から極めてスポーティーでダイナミックな走りまで、必要な剛性を選択できる。
驚異的なパフォーマンスと多才さは、ロシアのバイカル湖など、極限への挑戦をも可能にした。2021年3月にロシアのバイカル湖で開催された「デイズ・オブ・スピード」では、最高速度298km/h、停止状態からメ1,000メートルまでの平均速度114km/hという新記録を樹立している。同年には、ヒマラヤ山脈のインド側に位置するジャム・カシミール地方の峠、Umling Laにおいて、海抜5,800メートルを超えた世界で最も標高の高い道路の走破も果たした。