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横浜市の病院で入院患者3人の点滴に消毒液を混入して殺害した罪などに問われている元看護師に対し、9日、横浜地方裁判所で判決が言い渡されます。
検察が死刑を求刑したのに対し、弁護士は「心神こう弱の状態で無期懲役が相当だ」などと主張していて、どのような判断が示されるか注目されます。

横浜市神奈川区の旧「大口病院」の元看護師、久保木愛弓被告(34)は、5年前の2016年9月、70代から80代の入院患者3人の点滴に消毒液を混入し殺害した罪などに問われています。

久保木被告は起訴された内容を認め、裁判では当時の精神状態や刑の重さが争点になっています。

これまでの裁判で、検察は、自分の勤務時間中に患者が亡くなって遺族に責められるのを避けたいという思いから、患者が勤務時間外に亡くなるように点滴に消毒液を混入したと、動機について指摘しています。

そのうえで「精神障害の影響は極めて小さく、完全責任能力があった。3人を殺害した結果は極めて重大だ」などとして、死刑を求刑しています。

一方、弁護士は「『遺族に説明したくない』という動機で殺害するのは不合理だ。被告は統合失調症の影響で心神こう弱状態だった。今は犯行に真摯(しんし)に向きあい反省している」などとして、無期懲役が相当だと主張しています。

判決の言い渡しは横浜地方裁判所で午後1時半から始まる予定で、裁判所の判断が注目されます。