パナソニックが、テレビの量産機種の生産を中国家電大手TCLに委託することで合意したことが9日、分かった。利益率が低い中小型モデルの生産から事実上撤退し、自社生産は高価格機種に特化する。中国や韓国メーカーとの競争が激化し、事業の大幅縮小を余儀なくされた。
パナソニックのテレビは長らく家電部門をけん引する花形事業で、最盛期の生産台数は年間2千万台規模に上った。近年は中韓勢に押され、昨年度の販売台数は約360万台にとどまった。新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要で黒字を確保したが、本格的な回復にはほど遠く、抜本改革が待ったなしの状態が続いていた。