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 Ubisoft Entertainmentは,ブロックチェーン技術を利用した新たなプラットフォーム「Ubisoft Quartz」を発表し,「ゴーストリコン ブレイクポイント」のPC版で対応を開始することを明らかにした。これに合わせて独自NFT(非代替性トークン)となる「Digit」を発行するという。

 暗号資産とも言われるNFT(非代替性トークン)のゲームへの応用については,2021年10月25日に掲載した連載記事「Steamでは販売禁止に。ブロックチェーンゲームの現状」でお伝えしたように,法的側面を中心に評価が難しい。大手パブリッシャの中では,以前からUbisoft Entertainmentがブロックチェーン技術に意欲的で,傘下のUbisoft Strategic Innovation Labがブロックチェーン技術を持つTezosとの提携を発表するなど,研究とゲームへの応用を進めてきた。

画像集#002のサムネイル/Ubisoftが独自のNFTプラットフォーム「Ubisoft Quartz」を発表。PC版「ゴーストリコン ブレイクポイント」で対応を開始

 Ubisoftの取り組みは,さまざまなインゲームアイテムに,ブロックチェーン技術を利用することで複製や偽造が不可能な「デジタル指紋」が与えられ,それがNFTで取引できるというもの。Digitの場合,ビットコインのように承認システムにProof-of-Work(PoW)を使わず,Proof-of-Stake(PoS)を使うことで環境に配慮しているという。
 インゲームアイテムの販売は,ブロックチェーンやNFTを利用せず,インゲームマネーや現金でも行えるが,「Ubisoft Quartz」では,プレイヤーアカウントにかかわりなく,サードパーティのオークションサイトである「Rarible」「Objkt」で取引できる。
 「トーナメントの決勝戦で,最後のキルを奪ったライフル」や「有名ストリーマーのお気に入りユニフォーム」などのように,メタデータを持つアイテムに価値が与えられると予想できるが,いずれはゲーム内でクラフティングされたレアアイテムや,プロのアーティストが作成したスキンなどの取引も可能にしていくという。

画像集#003のサムネイル/Ubisoftが独自のNFTプラットフォーム「Ubisoft Quartz」を発表。PC版「ゴーストリコン ブレイクポイント」で対応を開始

 「Ubisoft Quartz」は,Ubisoftのゲームポータル「Ubisoft Connect」とタイアップし,北米時間の10月9日より「M4A1 Tactical | Wolves」といった限定アイテムが参加者に配布されるという。
 現時点でDigitを利用するには,18歳以上であることや,「ゴーストリコン ブレイクポイント」のXPレベルがLv5以上であることなど,いくつかの規定があり,各国の法規制に対処する必要があるためか,今のところは日本からは参加できない。
 「Ubisoft Quartz」が成功するかどうかで欧米ゲーム市場のトレンドも変わっていくはずで,動向に注目したい。

画像集#004のサムネイル/Ubisoftが独自のNFTプラットフォーム「Ubisoft Quartz」を発表。PC版「ゴーストリコン ブレイクポイント」で対応を開始