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声を失った声帯摘出者のCoeFont CLOUD利用が無料に、自分のAI音声による会話を支援

東京工業大学発のAI音声合成スタートアップYellstone(エールストン)は9月9日、自分の声を取り込んで音声合成が行えるサービス「CoeFont CLOUD」を、声帯摘出によって声を失った人たちに無料提供すると発表した。これを利用すれば、スマホやパソコンで文章を入力するだけで、自分の声で会話ができるようになる。

申し込みは、「CoeFont CLOUD 声帯摘出者向けプラン申請フォーム」から行える。

AI音声合成プラットフォーム「CoeFont CLOUD」では、自分の声を収録すれば、それが音声合成用の声のフォント「CoeFont」(コエフォント)に変換され、自分の合成音声でテキストの読み上げが行えるようになる。自分の「CoeFont」はクラウド上で公開でき、他のユーザーがそれを利用すれば作成者に収益が還元される仕組みもある。APIを使ってアプリやウェブサイトに組み込むことも可能。

Yellsotneでは、CoeFont CLOUDの場合これまで料金500円・最短15分の収録としていたが、今後は、声帯摘出を行った人は無料で使えるようになる。

テレビのニュース番組では、声帯摘出を行い「CoeFont CLOUD」利用している人のインタビューが放送された。その人は「CoeFontに出会えて、本当に救われました。今まで全く縁のなかったAI技術の進歩と素晴らしさに本当に驚いています」と話していたという。

実は、こうした使われ方は当初は想定していなかった。Yellstone創業者で代表取締役の早川尚吾氏は、こう話す。

「声帯摘出者の方が利用するという、自分が考えていなかった使われ方に最初は驚きました。実際に会話で使っていただいている動画を見ると、自分が作ったものが人の役に立っているということがこんなにも嬉しいのかと思いました」