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いつものようにアリ部屋でアリの世話をしていた息子。
1時間ほどアリ部屋で過ごしてからリビングに戻ってきました。

息子「サムライアリにオスっぽいのがいたよ」
「オスっぽいの?翅あった?」
息子「翅はあったし、たぶんオス」

現在サムライアリを数コロニー飼育しています。
どれも働きアリが数百に増えていますが、オスが羽化するにはまだ早い気もします。
「オスっぽい」と言うのも気になったので、夜に見に行くことに。
どのコロニーか聞いていなかったので、各巣で探しますがオスは見つからず、息子の見間違いではないかと思ったのです。
翌朝、息子から「サムライのオスいたでしょ?」と聞かれたので、「見つからなかったよ。見間違いかね?」と話をしました。
それからアリ部屋で仕事をしていると息子が来ました。
息子はしばらくサムライアリの巣の中を見続けていましたが、「あれ~。オスいないな。見間違いだったのかな?」と言っていました。
それからも諦めず見続けていた息子が「いた!やっぱりいたよ!オス!」と叫びました。
そのオスを見たところ、白い脚と白い翅、たしかにサムライアリのオスに見えたのですが、なんと普通のオスではなかったのです!!

サムライアリ オス
こちらは通常のオス。
サムライアリのオスは、触角、脚、翅が白くて美しい。

サムライアリ 雌雄モザイク
そして、こちらが今回見つかったオスなのです。
触角や、脚や翅は白いのですが、何か通常のオスとは違いますね。
このオスの正体は、反対側から見るとすぐに分かります。

サムライアリ 雌雄モザイク
反対側から見ると、触角と脚は黒く、アゴが発達して、翅がありません。
こちら側だけ見ると、どう見てもオスではなくメスです。

サムライアリ 雌雄モザイク
こちらは通常の働きアリですが、やはりよく似ていますね。

サムライアリ 雌雄モザイク
正面から見ると、右半身は触角や脚が白く、翅があり、アゴは短くオスの特徴。
左半身は長く発達したアゴに、触角や脚は黒くて翅はなくてメスの特徴。
複眼と単眼は右半身のオス側が発達しています。
今回見つかった個体は、体の半分がオス、半分がメスの雌雄モザイク個体だったのです!

サムライアリ 雌雄モザイク
実は少し前に、メス側の写真をこっそりTwitterにのせたのですが、気が付いた方はいましたでしょうか?
オス側の胸部の影響で、通常の働きアリよりも胸部が発達していますが、それ以外は通常の働きアリと同じです。
この写真だけ見ると、胸部が発達しているので稀に現れる大型個体のようにも見えますね。
体長は通常の働きアリと同じです。

雌雄モザイク
雌雄モザイクとは半分がオス、半分がメスになる遺伝子異常で、以前飼育中のブルドックアリでも雌雄モザイクが羽化したことがありましたが、滅多に見つけることはできません。
ブルドックアリの時は、女王とオスの雌雄モザイクでしたが、今回のサムライアリは働きアリとオスの雌雄モザイクでした。
ブルドックアリは右半身がメスで左半身がオスでしたが、今回のサムライアリは右半身がオスで左半身がメスでした。
雌雄モザイクは、様々な昆虫、甲殻類、両生類、爬虫類、鳥類などで見つかっていて、アリでもいろいろな種類で確認されているのですが、滅多に見つけることはできないので、今回見ることができて嬉しかったです。
新年早々良いものが見れました。
見つけてくれた息子に感謝。