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イギリスのジョンソン首相は、新たな変異ウイルス、オミクロン株による感染が確認されるケースが国内で急増していることから、映画館や劇場でもマスクの着用を義務づけるなど規制をさらに強化すると発表しました。

イギリスでは、オミクロン株による感染が確認されるケースが急増していて、8日までの累計で568件に上っています。

これを受けてジョンソン首相は8日、記者会見を行い、人口の大半を占めるイングランドで規制をさらに強化すると発表しました。

具体的には、公共交通機関などに限っていたマスク着用の義務づけを、映画館や劇場などにも拡大するほか、新たにナイトクラブや大勢の人が集まるイベント会場で、ワクチンの接種証明の提示を義務化するなどとしています。

一方で、ジョンソン首相は「日常生活への影響を最小限に抑えながら、人々の安全を守る」と述べ、飲食店の営業に関わる規制は行わない考えを示しました。

イギリス政府は、オミクロン株に感染した場合の症状の程度などについてはまだ分かっていないとしたうえで、感染の広がりがはやく重症化する人が増えれば、医療体制のひっ迫につながるおそれがあると指摘していて、規制のさらなる強化によって感染拡大のスピードを遅らせながら、ワクチンの追加接種を急ぐ方針です。

ウイルス増殖抑える飲み薬「モルヌピラビル」使用開始

イギリス政府は、11月、規制当局が承認した新型コロナウイルスの増殖を抑えるための飲み薬、「モルヌピラビル」について、8日、使用を始めると発表しました。

陽性が確認され重症化するリスクがある人たちが対象で、自宅で服用してもらい、経過を観察するとともにデータを集め、さらに効果を確認するということです。

「モルヌピラビル」は、アメリカの製薬大手メルクが開発した飲むタイプの抗ウイルス薬で、会社側は、重症化するリスクがある人の入院や死亡のリスクを低下させる効果がおよそ30%あるとしています。

イギリスのジャビド保健相は、「新型コロナウイルスの治療における新たな時代の始まりとなるものだ」とコメントしています。