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 岸田総理は明日で在職100日を迎えます。この週末JNNが行った最新の世論調査で、岸田内閣の支持率は66.7%と、政権発足後3か月連続で上昇しています。これまでの政権運営でみえてきた、ある変化とは。

岸田首相(今月4日)
 「一度、物事を決めたとしても、状況が変化したならば、柔軟な対応をする。こういったことも躊躇してはならないと思っています」

 今年最初の会見で、自身の政治姿勢についてこのように語った岸田総理。内閣の方針は度々変更されてきました。

岸田首相(先月13日)
 「10万円の現金を一括で給付する形で今回の対策の内容を実行する。こうしたことも選択肢の一つとしてぜひ加えたい」

 先の臨時国会で焦点となった「18歳以下への10万円相当の給付」。政府は当初、原則5万円分をクーポンで給付しようとしましたが、自治体などから不満が殺到し、岸田総理は即座に方針を変更したのです。去年の年末にも・・・

岸田首相(先月27日)
 「別室受験を含めできる限り受験機会を確保する方策について、文部科学大臣に対して検討を指示いたしました」

 オミクロン株の濃厚接触者の大学受験の扱いについても混乱が広がり、岸田総理は文科省の方針を撤回しました。なぜこうしたことが繰り返されるのでしょうか。

政治部官邸キャップ 室井祐作記者
 「岸田首相は、これまで強くなりすぎた政策決定における官邸主導を改め、ある程度、省庁に裁量を与えようとしている。これは安倍、菅政権を反面教師にしたいという意識がある。一方で官邸と省庁との調整不足が続き、朝令暮改が繰り返されている」

 岸田政権になって変わったのは官邸と省庁との力関係だけではありません。岸田総理は就任後も麻生副総裁ら党幹部との意見交換を重視しています。それにも事情があります。

政治部官邸キャップ 室井祐作記者
 「岸田総理が率いる岸田派は第5派閥で、党内基盤が盤石とは言えません。支持率が落ち込んだ場合、“岸田降ろし”が起きうる環境にあります。最大派閥のリーダーである安倍元総理や第二派閥の麻生派の顔色をうかがいながらの政権運営がしばらく続くのではないか」

 この週末、JNNが世論調査を行ったところ、岸田内閣を支持する人の割合は66.7%と、政権発足後3か月連続で上昇しています。明日で政権発足から100日を迎える岸田総理。オミクロン株の急速な感染拡大で、これから正念場を迎えています。