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米国の医療機器メーカーであるAbbott(アボット)は、一般消費者向けの多用途バイオセンシングウェアラブルの製造に乗り出そうとしている。

同社は、2014年から糖尿病管理用の持続血糖測定器(CGM)を製造しているが、米国時間1月6日にCESの会場で行われたヘルステックの基調講演で、アボットの会長兼CEOであるRobert B. Ford(ロバート・B・フォード)氏は、より一般的なフィットネスやウェルネスを目的としたコンシューマー向けバイオウェアラブルの新製品ライン「Lingo(リンゴ)」を開発していると発表した。

フォード会長は基調講演の中で「テクノロジーは、ヘルスケアをデジタル化、分散化、民主化し、人々と医師との間に共通言語を作り上げ、自分の手で自分の健康を管理する力を我々に与えてくれます」と語った。
「私たちは、あなたとあなたの大切な人に、よりパーソナルで正確なケアをもたらす未来を創造しています。それは今まさに起こっていることです。そしてその可能性は驚くほど膨大です」。

フォード氏によると、Lingoのセンシング技術は、グルコース、ケトン体、乳酸など、体内の「重要なシグナル」を把握できるように設計され、将来的にはアルコールレベルの確認にも使用できるようになるという。

アボットは2021年、アスリート向けのバイオセンサー「Libre Sense Glucose Sport Biowearable iii(リブレ・センス・グルコース・スポーツ・バイオウェアラブル III)」を発表し、欧州で販売を開始した。これは、マラソンの世界記録保持者であるEliud Kipchoge(エリウド・キプチョゲ)選手などがトレーニングのサポートに使用している。

アボットはLingoで目指す目標について、体重管理、快眠、エネルギー増進、思考の明晰化を求める人々に向けて、グルコースのモニタリングを拡大することだと述べている。

同社では、このような用途の拡大を支援するために、グルコース以外のバイオマーカーを測定できるバイオセンサーを開発しているという。

「ケトン体バイオウェアラブルは、ケトン体を継続的に監視し、自分がケトーシス状態に入る速さを確認したり、ダイエットや減量に関する洞察を提供することで、何が原因で今の状態が維持されるのかを正確に理解するために開発しているものです」と、プレスリリースには記載されている。「乳酸バイオウェアラブルは、運動中に蓄積される乳酸を継続的に監視し、運動能力の指標として利用できるようにするために開発中です」。

なお、アボットの広報担当者は、最初に発売されるバイオウェアラブルはケトン体を監視するための「Lingo Keto(リンゴ・キート)」で「2022年の後半」に欧州で販売が開始されることを認めた。

近年には、米国や欧州、アジアの多くのスタートアップ企業が、フィットネスに熱中している人々やダイエット目的の人々、または一般的な健康志向の高い消費者を対象に、医療目的以外のさまざまな用途に向けてCGMハードウェアの製品化を目指したり(アボット製の既存のセンサーもこれに含まれる)、リアルタイムの血糖値測定サービスを開始している。

早くからこの分野に参入したこアボットは、バイオセンシングを利用したコンシューマー向けウェアラブルが普及する可能性は非常に高いと見ているようだ。

CGMバイオセンサーを腕に装着した生活や、バイオセンサーが継続的に更新する生体プロセスの情報はどのようなものなのかを知りたい人は、先日TechCrunchに掲載したUltrahuman(ウルトラヒューマン)の「Cyborg(サイボーグ)」サービスのレビュー記事を参照していただきたい。

画像クレジット:Abbott

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)