木工で使う切断工具には切り屑、粉じんの飛散はつきもの。どんな工房でも掃除は欠かせない。しかし、今回紹介する集じん機を導入すれば、切り屑、粉じんを自動的に集めることができ、周辺をきれいに保って、作業空間をクリーンにすることができる。
工房中の複数ある工具を集じんする集じんシステム
工房に置かれた電動工具すべてに集じんホースを張り回して、中大型の集じん機やサイクロン集じん機で集じんするというシステムの設置は、工房派にとっては夢のシステムだ。専門の洋書でよく見ることができるが、国内でも工房に集じんシステムを導入している例を見ることができる。
そのような集じんシステムを作るには、工具ごとに枝分かれする集じんホースの長さと太さ、それに適応するパワーを持った集じん機やサイクロン集じん機の選択が重要になる。前ページのように、工具単体と集じん機単体の組み合わせなら、小型の家庭用電気掃除機で問題はないが、たとえば工房にあるすべての工具とサイクロン集じん機をひとつにまとめるシステムの場合は、各工具からサイクロン集じん機までのパイプやホースの長さと直径に対して適したサイクロン集じん機を選ばなければ、切り屑を吸引する力が足らずに吸い切れないことになってしまう。自分の工房に集じんシステムを作る場合は、ホースやパイプの長さが全部合わせて何mになるか、集じん機から一番離れた工具まで何mあるか、屈曲部が何カ所あるかを事前に確認しておき、購入予定のサイクロン集じん機のメーカーや販売店に問い合わせて、工房に合った機種を選定するようにしたい。
また各工具に接続するホースやパイプが主パイプに接続する部分には、空気の流れを遮断するシャッターを設置し、そのとき使う工具以外のシャッターを締めきって、空気の流れを切り換え、無駄な吸い込みを遮断して、使う工具1台だけから集じんするようにしなければ、効率のいい集じんはできない。
集じんシステムを構成するホース、パイプ、金具類はホームセンターの資材売り場を探せば合うものを見つけることができるが、専門ショップやウェブショップでも集じんシステム用にそろえられたパーツを購入することができる。
集じんシステム例1
集じんシステム例2
集じんシステム例3
集じんシステム例4
クリーンな空気の工房を実現するエアフィルターシステム
集じん機のフィルターでは取りきれない、微細な粉じんを取り除き工房内にきれいな空気を循環させるエアフィルターシステムを導入するのもおすすめだ。据え置きでも吊り下げでも使用できる。粉じんを取り除くフィルターの能力は外側5ミクロン、内側1ミクロン。風量3段階切り替え、タイマー3段階切り替え。リモコンつき。
*掲載データは2016年8月時のものです。