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中国の自動運転会社WeRide(ウィーライド)が同社初の貨物バンを発表した。この車両は都市ロジスティクス業界に自動運転を持ち込むものだ。同社は、初の自動運転バンを大規模に商業展開するために中国の自動車メーカーJiangling Motors (江鈴汽車、JMC)、速配会社ZTO Express(ZTOエキスプレス)と協業する。

9月8日に開かれた「The Next」というWeRideのオンライン記者会見で、WeRideの創業者でCEOのTony Han(トニー・ハン)氏、JMCの代表取締役副社長Wenhui Jin(ウェンフイ・ジン)氏、ZTOの副社長Renqun Jin(レンクン・ジン)氏が業務提携に署名した。取引の一環として、WeRideとJMCは、JMCの組立ラインで大量生産するRobovan専用モデルを共同でデザインする。そしてZTOの声明文によると、同社はRobovanを自社の都市ロジスティクスサービスで活用する。WeRideの広報担当は、Robovanが非常に充実している車両プラットフォームを備えるJMCのバッテリー電動車両モデルをベースにし、WeRideのフルスタックソフトウェア、ハードウェア自動運転ソリューションと組み合わせる、とTechCrunchに語った。

WeRideは2020年に商業展開に向けて現金をかき集めた。5カ月の間隔を空けてシリーズBとシリーズCラウンドで6億ドル(約658億円)を調達し、現在のバリュエーションは33億ドル(約3618億円)だ。6月に同社は広州拠点の自動運転トラック会社であるMoonX.AIを買収したが、同分野における商業プロダクトの開発にはまだ取り組んでいない。いずれにしても、配車サービスや自動運転バス、都市ロジスティクスの展開、そして自動運転トラックのほんの少しの準備は、WeRideの自動運転ポートフォリオを多様化する動きが競争で優位性を確保していることを意味する。

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中国の検索エンジンBaiduの自動運転部門は2021年4月時点では主にロボタクシーとバスに注力している。Pony.AI はロボタクシーに加え、少なくともラストマイルロジスティクスを試験し、このほど中国でトラックのテストも許可されたばかりだが、これまでのところバスは対象としていない。Waymo Viaはラストマイルとトラックは対象としておらず自動運転タクシーが同社の看板だが、自動運転バスについては何も情報を出していない。GMが出資するCruiseは小型車両に注力しているようで、同社が展開している車両サービスにはライドシェア配達がある。

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WeRideのバンはすでにレベル4の自動運転能力を持つ、と同社はいう。レベル4車両はハンドル操作ができ、大半の場合において人間の介入を必要としてないが、人間がマニュアルで操作する選択肢を持っている車、と米自動車技術者協会は定義している。レベル4車両は限定的な環境で走行でき、だからこそ直近ではライドシェアで使われている。しかし配達車両もおそらく同様にジオフェンス内で自動走行できる。

WeRideはすでに一般向けのRobotaxiサービスのテストを2年展開しており、Robovanが都心からトンネル、高速に至るまでZTOのネットワーク内のさまざまな交通状況に対応することができると確信している、と話す。ZTOによると、同社のネットワークは中国の都市・郡の99%超をカバーしている。

WeRideの広報担当は、Robovanがすでに生産され、人知れず中国内でしばらくの間テストされてきた、と話す。いつWeRideとJMCが大量生産を始めるのか、詳細なタイムラインを発表するのは時期尚早だが、WeRideの次のステップは車両とシステムの安定性を立証するパイロット試験を行う場所を1〜3カ所選ぶことになる、と広報担当は語った。

「そのすぐ後に当社はいくつかのエリアで真のドライバーレスを目指し、都市ロジスティクスへの応用でRobovans運用のノウハウを構築します」とTechCrunchに述べた。「RobovanとRobotaxiがどちらも都市部で展開されていることを考えると、RobovanにはRobotaxiと同じような規制が適用されます。中国の規制は、自動運転テクノロジーの開発に追いつくために一歩ずつ進化しています。3〜5年以内に真のドライバーレスRobovanの応用を目にするでしょう」。

画像クレジット:WeRide

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi